・namastesthu mahAmAye shrIpIthe surapUjite
shankhachakra gadA haste mahAlakshmi namosthu te
・ナマステーストゥ・マハーマーイェー・シュリーピーテー・スラプージテー
シャンカチャクラ・ガダー・ハステー・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:マハーマーヤー(偉大な幻力)であり、すべての神々に崇められるお方、
ほら貝、円盤、棍棒を手に持つマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第1節です。
マハーラクシュミー・アシュタカムは、8節からなるマハーラクシュミーへの祈りであり、インドラによって語られている形式になります。
マハーラクシュミー・アシュタカムを1日に一度唱えると、大罪が清められるといわれています。
・namaste garudArUdhe kolAsura bhayankari
sarva pApa hare devi mahAlakshmi namostu te
・ナマステー・ガルダールーデー・コーラースラ・バヤンカリ
サルヴァ・パーパ・ハレー・デーヴィー・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:聖鳥ガルダに乗り、コーラ悪魔に恐れられるお方、
一切の不吉を払拭するマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第2節です。
パーパ(pApa)は、悪徳、不幸、困難、不運などの意味があります。マハーラクシュミーは、これらの障壁をすべて取り去る女神といわれています。
マハーラクシュミー・アシュタカムを1日に2度唱えると、巨万の富がもたらされるといわれます。
・sarvagne sarva varade sarva dushta bhayankari
sarva duhkha hare devi mahAlakshmi namostu te
・サルヴァグネー・サルヴァ・ヴァラデー・サルヴァ・ドゥシュタ・バヤンカリ
サルヴァ・ドゥフカ・ハレー・デーヴィー・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
意味:すべてを知るお方、あらゆる恩寵を与えるお方、すべての罪深き人に恐怖の姿を示すお方、
一切の悲哀を慰めるマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第3節です。
ドゥフカ(duHkha)は、困難、悲しみ、不安、心配、苦痛などの意味があります。マハーラクシュミーは、私たちの悲哀をすべて取り去る女神といわれています。
マハーラクシュミー・アシュタカムを1日に3度唱えると、私たちの最大の敵(我欲、エゴ)が破壊されるといわれます。
・siddhi buddhi pradhe devI bhukthi mukthi pradAyini
mantra mUrte sadA devi mahAlakshmI namostu te
・シッディ・ブッディ・プラデー・デーヴィー・ブクティ・ムクティ・プラダーイニ
マントラ・ムールテー・サダー・デーヴィー・マハーラクシュミー・マモーストゥ・テー
・意味:法力と叡智を与え、楽しみと解脱を授ける女神、
すべてのマントラの化身であるマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第4節です。
マハーラクシュミーは、この世界を楽しむためのすべての要素であるシッディ(法力)、ブッディ(知性)、ブクティ(喜び)、ムクティ(解脱)を授ける女神であるといわれます。
すべてのマントラの化身とされるマハーラクシュミーに真摯な祈りを捧げることにより、書き尽くすことのできない功徳を得ることができるとされます。
・Adyantarahite devI Adi shakti maheshvari
yogaje yoga sambhUte mahAlakshmI namostu te
・アーディヤンタラヒテー・デーヴィー・アーディ・シャクティ・マヘーシュヴァリ
ヨーガジェー・ヨーガ・サンブーテー・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:始まりも終わりもない女神、原初のエネルギーである偉大な統治者、
ヨーガにより生まれ、ヨーガそのものであるマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第5節です。
マハーラクシュミーは、始まりと終わり(アーディヤンタ)のない女神であり、永遠に存在し続ける原初のエネルギー(アーディ・シャクティ)であるといわれます。
またマハーラクシュミーは、乳海攪拌というヨーガ(結合)によって生まれ、ヨーガを司る至高の存在でもあります。
・sthUla sUkshma mahAraudre mahAshakti mahodare
mahA pApa hare devI mahAlakshmi namostu te
・ストゥーラ・スークシュマ・マハーロウドゥレー・マハーシャクティ・マホーダレー
マハー・パーパ・ハレー・デーヴィー・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:巨大なものから微細なものを大きなお腹に収めるお方、恐ろしい女神、偉大なシャクティの化身、
この上ない悲哀を取り去るマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第6節です。
マハーラクシュミーは、ストゥーラ(大きなもの)からスークシュマ(小さなもの)のすべてを内包する女神です。ガネーシャの別名として知られる「マホーダラ(大きなお腹をもつ者)」でもあり、広大な宇宙のすべてが彼女のお腹の中に含まれています。
また第2節にも出てきた強大な「パーパ(悪徳、不幸、困難、不運)」を取り去る女神であることがここでも強調されています。
・padmAsana sthite devI parabrahma svarUpini
paramesi jaganmAtah mahAlakshmi namostu te
・パドマーサナ・スティテー・デーヴィー・パラブラフマ・スヴァルーピニ
パラメーシ・ジャガンマータハ・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:蓮に座り、梵(ブラフマン)の化身である女神、
偉大なる世界の母であるマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第7節です。
ジャガンマータは、世界の母という意味のラクシュミーまたはドゥルガーの別名です。 世界の父(神)という意味のジャガンナータ神は、ヴィシュヌ、クリシュナ、ラーマ、ダッタートレーヤなどの化身といわれ、手足のない丸太の身体を持つ特徴的な姿をした神です。
・svetAmbaradhare devI nAnAlankAra bhUsite
jagat stithe jaganmAtah mahAlakshmi namostu te
・シュヴェータームバラダレー・デーヴィー・ナーナーランカーラ・ブーシテー
ジャガット・スティテー・ジャガンマータハ・マハーラクシュミー・ナモーストゥ・テー
・意味:至宝の装飾品と白い衣を身に纏う女神、
世界に遍在の聖母であるマハーラクシュミーに帰依いたします。
マハーラクシュミー・アシュタカム第8節です。
ジャガット(jagat)は世界、地上を意味し、スティタ(sthita)は立つ、留まるなどの意味があります。世界に存在し、世界の母であるマハーラクシュミーをたたえるマハーラクシュミー・アシュタカムの最終節になります。
・mahAlakshmyashtakam stotram yah patheth bhakthimAn naraha
sarva siddhi mavApnoti rAjyam prApnoti sarvadA
・マハーラクシュミャシュタカム・ストートラム・ヤハ・パテートゥ・バクティマーンナラハ
サルヴァ・シッディ・マヴァープノーティ・ラージャム・プラープノーティ・サルヴァダー
・意味:このストートラを信愛をもって唱える者はだれしも、あらゆる願望が叶い、王国を享受するでしょう。
マハーラクシュミー・アシュタカム第9節(結びの言葉)です。
結びの部分には、このストートラを唱えることによる功徳・果報が述べられています。
マハーラクシュミーを信愛をもって讃え、このストートラを唱える人々は、あらゆる成功がもたらされ、高貴な身分や広大な土地を継承するといわれます。
・eka kAlam pathen nithyam mahA pApa vinAshanam
dvi kAlam yah pathen nithyam dhana dhAnya samanvitah
・エーカ・カーラン・パテーンニッテャン・マハー・パーパ・ヴィナーシャナム
ドヴィ・カーラン・ヤハ・パテーンニッテャン・ダナ・ダーニャ・サマンヴィタハ
・意味:これを1日に1度唱えるならば、あなたが犯した重大な罪が清められるでしょう。
これを1日に2度唱えるならば、莫大な富を享受するでしょう。
マハーラクシュミー・アシュタカム第10節(結びの言葉)です。
パーパ(pApa)は、悪徳、不幸、困難、不運など、ヴィナーシャナ(vinAzana)は滅ぼす、破壊するという意味があります。
またダナ(dhana)やダーニャ(dhAnya)は、富やお金持ち、サマンヴィタ(samanvita)は、所有、寄与などの意味があります。
・tri kAlam yah pathen nithyam mahA shatru vinAshanam
mahA lakshmIr bhaven nithyam prasannA varadA shubhA
・トリ・カーラン・ヤハ・パテーンニッテャン・マハー・シャトゥル・ヴィナーシャナム
マハー・ラクシュミール・バヴェーンニッテャン・プラサンナー・ヴァラダー・シュッバー
・意味:これを1日に3度唱えるならば、あなたの最大の敵(欲望)が破壊されるでしょう。
マハーラクシュミーの祝福により、あらゆる吉兆の出来事があなたに訪れます。
マハーラクシュミー・アシュタカム第11節(結びの言葉)です。
シャトゥル(zatru)は、敵、ライバル、対抗者などの意味があります。
インドの聖典によると、わたしたちの最大の敵は、欲望や怒りであるといわれています。欲望や怒りという内なる敵を征服することができれば、どのような難題もたやすく克服することができるといわれます。
このマントラが収録されているCDには以下のCDがあります。
・「Beginning Shlokas in Song and Chant」(トラック19)
・「Divine Chants of Mahalakshmi」(トラック5)
・「女神のマントラ vol.2」(トラック1)
・「マントラ・オブ・デヴァイン・マザー」(トラック1)
・「チャント&マントラ」(トラック7)
ムクティとは?
ご質問ありがとうございます。「ムクティ」について詳しく説明させていただきます。
ムクティ(mukti)は、サンスクリット語で「解脱」や「解放」を意味する重要な概念です。インドの哲学や宗教的な文脈では、特に以下のような意味を持ちます:
1. 輪廻からの解放:
ムクティは、生まれ変わりの輪廻(サンサーラ)から解放されることを指します。これは、魂が永遠の苦しみや再生のサイクルから自由になる状態です。
2. 無知からの解放:
真の自己(アートマン)や究極の実在(ブラフマン)についての無知から解放されることを意味します。
3. 精神的な自由:
欲望、執着、恐れなどの束縛から解き放たれ、内なる平和と自由を得ることです。
4. 最高の意識状態:
一部の哲学では、ムクティを最高の意識状態や悟りの境地として捉えています。
5. 神との合一:
信仰的な観点からは、個人の魂が神と一つになる究極の状態を指すこともあります。
ムクティは、多くのインドの宗教や哲学的伝統(ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教など)で重要な目標とされています。ただし、その具体的な解釈や達成方法は、各伝統や学派によって異なります。
マハーラクシュミー・アシュタカムの文脈では、ムクティは女神マハーラクシュミーが信者に与える恩寵の一つとして言及されています。つまり、女神への信愛を通じて、精神的な解放や最高の意識状態に到達できるという考えが示されています。
この概念は、物質的な豊かさ(ラクシュミーの伝統的な側面)だけでなく、精神的な豊かさや成長も女神が与えてくれるという、より深い理解を示しています。
ムクティについてさらに詳しく知りたい方は、ウパニシャッドやバガヴァッド・ギーターなどの古典テキストを参照されることをおすすめします。これらの文献では、ムクティの概念がより詳細に探求されています。
もし他に疑問点やご質問がありましたら、どうぞお気軽にお聞きください。