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雑記帳

馬頭の神の降誕

1年の中でとりわけ神聖とされるシュラヴァナ月(7月~8月)の満月は、ヴェーダの母であるガーヤトリー女神が降誕した日として祝福される慣習があります。
この満月は、悪魔に盗まれた知識の象徴であるヴェーダが取り戻され、暗闇に飲み込まれていた世界が光に包まれた時と信じられることに理由があります。

ヴェーダを取り戻したのは、馬の頭を持ったヴィシュヌ神の化身であるハヤグリーヴァ神でした。
このハヤグリーヴァ神の降誕には諸説ありますが、女神を讃えるデーヴィー・バーガヴァタムにおいては、次のような神話が見られます。

ヴィシュヌ神が長きに渡る悪との戦いを終えた後、静かな場所で休んでいた時のことでした。
神々がなかなか目覚めないヴィシュヌ神を心配したため、ブラフマー神が1匹の虫にヴィシュヌ神を起こすように頼みます。

その虫は、ヴィシュヌ神の眠りを妨げることを躊躇うも、ヴィシュヌ神が寄りかかっていた弓をかじり始めました。
その時、勢いよく弦が切れたために、ヴィシュヌ神の首がはねられてしまいます。
すると、大地が震え、山は揺れ、不吉な流星が落ちると、太陽は沈み、至る所に邪悪な動きが生まれ始めました。
慄いたブラフマー神は、生命エネルギーの源であるシャクティに祈り始めます。

祈りを受けたシャクティは、ブラフマー神に、起こる物事にはすべて意味があることを伝えました。
そして、かつてヴィシュヌ神がラクシュミー女神との戯れの中でラクシュミー女神を嘲笑したために、いつかヴィシュヌ神の首がはねられるという呪いがかけられていたことを伝えます。

加えて、この時、馬の頭を持ったハヤグリーヴァという悪魔が、この世界を恐怖に陥れていました。
この悪魔は、同じ馬の頭を持つ者にしか倒されないという恩恵を手にしていた悪魔です。
ヴィシュヌ神の首がはねられたのは、この悪魔を倒す必要が生じていたためでした。
それを知ると、ブラフマー神は馬の首をヴィシュヌ神の身体につけ、ヴィシュヌ神はハヤグリーヴァ神となり悪魔を倒したと伝えられます。

インドでは、馬は太陽の乗り物であり、暗闇を切り開くように世界に光をもたらす存在として崇められます。
太陽は、私たちの心を照らし、知識を授け、正しい道へと導く、最高の光として崇められてきました。
物事を精力的にこなす力が馬力ともいわれるように、その最高の光をもたらす力は、私たちの内なる世界においては生命力であるプラーナの象徴です。

私たちは、どんな物事も今後の最善のために起こるのだと信じ、その生きる力を正しく用いる方法を学ぶ必要があります。
自然の巡りの中で訪れるこうした祝祭は、私たちにその意味を深く気づかせてくれるものでもあります。
与えられた日々において、繰り返しそれを学びながら、光の中で生きることを努めたいと感じます。

(文章:ひるま)

参照:The Devi Bhagavatam: The First Book: Chapter 5, On the narrative of Hayagriva

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