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《PR》『神話と現実世界を結ぶ探求の物語』

本書のタイトルの「神の化身」という言葉は、「アヴァターラAvatāra」というサンスクリット語から来るものです。現代では「アバター」という語が、SNS、ブログ、オンラインゲームなどでユーザーの「分身」となるアイコンやイメージとして使われています。日本語では「化身」や「権化」などとも訳されます。世界的なヒットとなり、現時点(2023年)で世界映画の興行収入の一位と三位に入っているジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』のシリーズの「アバター」も似たような意味で使われています。このSF映画では、アバターは心や意識が入るための器となる人造生命の身体を表しています。

アヴァターラの元々の意味は「降りて来る、渡って来る」というものです。ヒンドゥイズムにおけるアヴァターラは、神が地上に化身するという概念を表しています。キリスト教における受肉の概念や、仏教における応身の概念ととても似ています。これらは総じて、神や仏などの高度な意識が、人間が目にして、触れることができる身体に入って姿を現すという考え方です。

インドの驚くべきことの一つは、このアヴァターラ(神の化身)たちが、神話や宗教の物語ではなく、実際に現代に生きる人間たちとして今なお存在していることです。そして本書では、こうしたアヴァターラたちの一人であるシュリー・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジの人生が綴られています。

シュリー・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジ(以下、略称シュリー・スワミジ)は、少年の頃から「自分とはいったい何なのか?」という問いを持ち続けていました。この「私は誰か?」という問いは、本書におけるもっとも重要なテーマであり、またそれを知ることは普遍的な人間の目的であるとも言われています。

非常に特別な存在である神の化身が、誕生し、少年から大人に成長するにあたって、また成人した後、どのように生き、考え、感じてきたかを知ることができます。知的な探求心を持つ人にとって、それは非常に興味深く、インスピレーションを与える知識となることでしょう。

シュリー・スワミジが化身した目的の一つに、人間の意識が辿る旅路を実演し、モデルを示すというものがあります。ある場面で、シュリー・スワミジ自身が「ブラフマー神が彫刻を作り、それを地に落としたなら、それについての物語はありません。一方で一人の芸術家が山の石を使って、少しずつ部分を作って創造したならば、世界はそれについてたくさんの物語を通して語るでしょう」と言います。

この物語は、私たちの心が持つ愛と憎しみ、人間の関係性がもたらす喜びと悲しみ、意識の高揚と絶望に満ちています。そして最終的に私たちがそれら全てを超えた静けさに辿り着き、ついに一切の恐怖を克服する地点に到達することを物語っています。

その意味で、シュリー・スワミジの物語は、私たち自身の物語であり、最終的な私たちの勝利についてのメッセージであると言えます。

シュリー・スワミジのウパディ(乗り物・身体)は、ヒンドゥーの伝統に属しています。そのため本書においては、ヨーガ、ヴェーダ、ウパニシャッドなどのヒンドゥー文化の用語と概念が溢れています。こうした概念や用語は、人間の意識の探求、あるいは神の探求の世界の深遠さへと誘います。ヨーガや瞑想の最終段階であるサマーディとはどのようなものか? ウパーサナ(念拝)とは何か? デーヴァター(神)はどのように存在しているのか?

本書の驚くべきことの一つは、デーヴァターの一柱であるガナパティ神が、シュリー・スワミジの師となって彼を導いていることです。ガナパティ神は、ある時は、メッセージを伝える不思議な石として、ある時には、木の根が自然に形成したガナパティの姿で、またある時には儀式の際の炎として、別の時には、実際の人間の少年の姿で現れます。私たちが神殿における神像や、神話における物語でしか知らないデーヴァター(神々)が、この世界におけるリアリティをもった隣人や友人の姿で臨在していることを伺い知ることができます。

これらの驚異に満ちたメッセージの価値は、計り知れないものです。人間の意識が辿る神への旅路についてのヒントを得たい方に、ぜひ読んでいただきたい一書です。

【目次】
第一章 イニシエーション
第二章 プラシュナ・ガナパティ
第三章 家系
第四章 カリャーナ・ヨーガ(結婚)
第五章 永遠の炎
第六章 負債の返却
第七章 アヴァドゥータ
第八章 シッダーンタ(真実についての理論)
第九章 サマーディ
第十章 サティヤーナンダ
第十一章 ランビカー脈
第十二章 アートマジャヤ(真我の勝利)
第十三章 欺瞞
第十五章 アイキャ・ディークシャー(一つになるイニシエーション)
第十六章 栄光の章 シヴァ・ヨーガ(シヴァ神との結合)
第十七章 平安あれ、平安あれ、平安あれ
第十八章 ジャンマシッディ(生まれながらの成就)
第十九章 バーラ・プラナーリカー(子どもたちのための計画)
第二十章 マタ・サマンヴァヤ(学説間の和解)
第二一章 チグル・コンマ(支流)
第二十二章 テスト
第二三章 愛の道
第二四章 リシの言葉
第二五章 グルの系譜(グル・パランパラー)
第二六章 開かれたカーテン
第二七章 普遍的な姿
アヌバンダムⅠ(追加版①)
アヌバンダムⅡ(追加版②)

書誌情報
神の化身たち ―シュリー・ガナパティ・サッチダーナンダ・スワミジの人生
(原書 Reflections of the Absolute: The Life of Sri Ganapathy Sachchidananda Swamiji)
クッパ・ヴェーンカタ・クリシュナムールティ(著)
発行:ダッタジャパン出版
発売:2023/2/5
言語:日本語
頁数:812ページ
寸法:14.8 x 4.85 x 21 cm
ISBN-10:4991295505
定価:5,940円(税込)

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