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インド音楽

56、第5Chakra:VishuddhaとRaga

In Meditation mit Chakren ber dem Wasser

喉にあるとされる「第5のChakra:Vishuddhai」は、喉、甲状腺、副甲状腺、気管支に関わり、意志、知識、創造性、判断力を司ると言われます。

甲状腺は、言うまでもなく、体の様々なバランス、つまり「恒常性」を維持するための指令的なホルモンを分泌する機能ですから、「第6のChakra:Ajna/Agnya」の神経系とも深い関わりがあるに違いありません。

7つの音の第5音「Pancham(パンチャム/ソ)」は、Sadaj(サラジュ/ド)の基音の五度の「属音」であり、Sadaj同様、#♭しない「Akala-Swar(アカル・スワル/不変音)」であり、音階/旋法の要であります。

前回、第4音:Madhyama(マディヤム/ファ)が「Sadajの影武者」と述べましたが、このPanchamは、表立った「Sadajの代理」のような重要な音です。

Madhyamが仕切る特別で希少なRagaでは、Sadajが一歩引くのに対し、Panchamは、多くのRagaで、常にSadajを立てながらSadajと共に全体を取り仕切っています。

逆に、MadhyamやPanchamを割愛するRagaもあります。しかしSadajを割愛するRagaは存在しませんから、Sadajが基音であることは永遠に不変なのです。この辺りの絶妙な関係性こそが、人間の心と体の様々な部分や臓器、その働きと符合している感慨深いところであり、インド科学音楽が、単なる芸術鑑賞を超えた意味を持っている証ではないでしょうか。

古代ギリシア、古代ペルシアとも共通する、音階を上下四度で分ける「テトラコルド」の概念においては、Sadajが司る「下のテトラコルド(ドレミファの4音)」インド音楽用語では「Purab-Ang(プーラバング/字義は東の部分)」に対し、Panchamは、「上のテトラコルド(ソラシドの4音)」「Uttar-Ang(ウッタラング/字義は上・北の部分)」を司る準基音的な役割を担っています。

これは、中医・漢方弁証論治における「下焦(横隔膜より下)」「上焦(横隔膜より上)」とも共通する感覚です。

また、Yogaでは、「Prayanama(プラーヤーナーマ)」が、Mudra、Asanaとともに重要な要素であり、正しく外気を摂り込み、必要に応じた正しい排気を行うことが、健康(正常化)に不可欠なものであるならば、それの直接的な機関である「呼吸器」とそれを司る第5Chakra:Vishuddha、そして、それに関わるRagaは、相当の重要性があるわけです。重要であるが故か、情緒と関わるRagaほど数はありません。少数精鋭といった感じでしょうか。

一方、喉や甲状腺と関わるChakraが、意思、知識、創造性、判断力を司るという概念は、少し分かりにくいかも知れません。しかし、呼吸器は「声/ことば」の原動力でもあるわけです。言うまでもなく、「呼吸器」が健康で正常な人は、「声/ことば」に余裕があります。自らが発する「声/ことば」に余裕があれば、他者の「声/ことば」に対しても余裕が生まれます。そのような人は、文章に対しても同じ傾向が現れます。もちろん逆もしかりです。

「声/ことば」の余裕とは、「声」に関しては、「柔らかさ、優しさ、深み」などであり、逆の状態は、「わめいている、しわがれている、怒鳴る」などです。「ことば」に関しては、「意味深く、示唆に富んでいるが、分かり易く、心に伝わる」というものであり、逆は「乱暴、ぞんざい、感情的」というものです。

極端に言えば、「余裕が在る声/ことば」は、「説法」や「朗読」のようなものであり、その逆の極端なものは、「獣のわめきと変わらない」ようなものです。

このように理解すれば、「呼吸器の健康」が、「健康な意思、知恵、判断力、想像力」と深く関わることが分かると思います。

実際、「人の言葉をすんなり理解しない,文章読解力が乏しい/論理的に話せない、文章力が低い」という人には「呼吸器系の問題やハンデ」があることが多いのではないでしょうか? 事実、大正〜昭和初期生まれの日本人では、そのようなこと(呼吸器、循環器、消化器の強弱善し悪しが、その人の所作、癖、性格に現れる)を言う人は多く居ました。

Viśhuddha-ChakraにちなむRagaは、「Panchamが重要」とは言っても、不必要にPanchamを強調するわけではなく、あくまでも自然に、Panchamにたどり着いて「落ち着く、安心する」ようなものがほとんどです。やはりこれも「自然体、余裕、健康」の象徴なのでしょう。

余談ですが、近年の傾向(あくまでも個人的印象ですが)を見るに、言葉や文字に余裕が無く(感情的で論理性が乏しい)、不愉快に思われるかも知れませんが、方向性が「獣方向」にじわじわと寄っている人が増えた様に思います。

その原因と言いますか、象徴的な様相に「口呼吸」がある様に思います。多くの人が「軽いアレルギー性鼻炎(過敏、過剰防衛)」の為、「鼻呼吸」を減らし、絶えず口を半開きにしている。これは癖にもなっていて、余計に「鼻腔の本来の機能」を鈍らせ、『鼻腔免疫機能」を低下させ、自律神経もおかしくして、悪循環を作り出している。あくまでも個人的見解ですが。

(文章:若林 忠宏

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