神々を礼拝する際には、さまざまな礼拝用具が用いられます。
神聖な品々を祀るお皿、供物を捧げる器、聖水を捧げるスプーン、お香立て、ハンドベル、オイルランプなど、祭壇にはさまざまな礼拝用具が並びます。
インドでは古来より、こうした礼拝用具には銅や真鍮といった金属類を用ることが勧められてきました。
金属類の持つ微量金属作用、特に、銅には優れた殺菌効果があることが伝えられます。
真鍮は黄銅とも呼ばれ、銅と亜鉛からなる合金です。
アーユルヴェーダでは、銅の容器に一晩入れた水を朝飲むことが勧められる場合もあります。
病に対する治療のなかで、銅が用いられることも少なくありません。
こうした銅の優れた殺菌・浄化作用は、周囲のタマス(惰質)やラジャス(激質)といったネガティブなエネルギーを払拭し、サットヴァ(純質)なエネルギーを引き寄せる力を持つと信じられます。
また、銅は古来より、金星に繋がる物質として崇められてきました。
その銅を礼拝に用いることで、豊かさや繁栄が引き寄せられると信じられる場合もあります。
礼拝用具をそろえる際には、合成樹脂やガラスなどを避け、銅や真鍮といった金属類の器を用いることが良いでしょう。
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