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雑記帳

ナーラダ仙とハヌマーン神

目標を達成し成功を収めるために重要となる要素に、自信や自負があります。
私たちを突き動かすその力なしに、大きく成長することはできません。
しかし、過剰なそれは、時に私たちを困難に陥れます。
インドの神話において重要な聖仙のひとりに数えられるナーラダ仙は、自らの学びを示しながら、その価値ある意味を伝えています。

叡智を広めるために世界を歩き回るナーラダ仙は、常に楽器のヴィーナーを手にしています。
ナーラダ仙は楽聖として崇められる存在でもあり、音楽によって人々を感動させる偉大な音楽家としてのプライドがありました。
ある時、ハヌマーン神がナーラダ仙の音楽を耳にすると、その素晴らしさに感動し、ナーラダ仙から祝福を得ることを願います。
ハヌマーン神も、敬愛するラーマ神のために音楽を奏でることが多くありました。

そうしてナーラダ仙から祝福を受けたハヌマーン神は、音楽を奏で始めます。
ナーラダ仙はその音楽に魅了され、手にしていたヴィーナーを岩の上に置いて聞き入りました。
すると、ハヌマーン神の音楽の素晴らしさに、ヴィーナーを置いた岩が溶け始めます。
しかし、ハヌマーン神が音楽を奏で終えると岩は固まり、ヴィーナーが岩の中に閉じ込められてしまいます。
ナーラダ仙は岩を溶かすことができず、ヴィーナーを取り戻すために、ハヌマーン神にもう一度、音楽を奏でるように頼まなければなりませんでした。

この神話は、ハヌマーン神の献身から生まれた比類のない音楽が、岩だけでなくナーラダ仙の自尊心や自負心を溶かしたという象徴があります。
地位や名誉といった現象に伴い大きくなる自尊心や自負心は、私たちを真実である崇高な存在から遠ざけます。
それは、自分自身の本質を見失うことに等しく、そこで私たちはナーラダ仙のように大きな困難に直面しなければなりません。

一方で、ハヌマーン神がラーマ神へ捧げるために奏でた音楽は、岩を溶かし、ナーラダ仙を啓発するほどの力がありました。
自分自身の本質という崇高な存在に繋がったその行為は、不可能を可能にするほどの力を生み出し、私たちの人生に真の価値をもたらすということを伝えています。

自らの学びを示しながらその真理を明らかにするナーラダ仙は、時を超えてその叡智を伝え続けています。
そんなナーラダ仙の降誕祭が、今年は5月17日に祝福されます。
時に難解な教えを親しみやすく私たちに伝えるナーラダ仙の姿に学ぶことで、私たちはより豊かに成長することができるはずです。

(文章:ひるま)

参照:Bhakti story: Hanuman and vina of Narada Muni

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