バガヴァッド・ギーター第3章第38節

インドの古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

धूमेनाव्रियते वह्निर्
dhūmenāvriyate vahnir
ドゥーメーナーヴリヤテー ヴァフニル
火が煙に覆われ

dhūmena【男性・単数・具格 dhūma】[〜によって、〜をもって]煙、蒸気、霧
āvriyate【三人称・単数・現在・受動活用 ā√vṛ】[彼は〜される、それは〜される]覆う、隠す、秘める;包囲する;(処格)に閉じ込める;(路を)妨げる、邪魔する;(門を)占拠する、(小屋を)占有する;満たす、浸透する;(望みを)遂げる
vahnis【男性・単数・主格 vahni】[〜は、〜が](車を)ひくもの、駿馬;戦車の御者;(神々に供物を)もたらす者、アグニ神;火、火神

यथा ऽदर्शो मलेन च ।
yathā ‘darśo malena ca |
ヤター ダルショー マレーナ チャ
そして鏡が塵に覆われるように

yathā【接続詞】〜のように、あたかも〜のように(tathāとともに)
ādarśas【男性・単数・主格 ādarśaā-√dṛśより)】[〜は、〜が]見ること;鏡;像;写本
malena【中性・単数・具格 mala】[〜によって、〜をもって]汚物、垢、不浄;(身体の)分泌物
ca【接続詞】そして、また、〜と

यथोल्बेनावृतो गर्भस्
yatholbenāvṛto garbhas
ヤトールベーナーヴァリトー ガルバス
胎児が羊膜に覆われるように

yathā【接続詞】〜のように、あたかも〜のように(tathāとともに)
ulbena【中性・単数・具格 ulba】[〜によって、〜をもって]羊膜、卵膜;子宮
āvṛtas【男性・単数・主格 āvṛta(過去受動分詞 ā√vṛ)】覆われた、隠された、囲まれた;広げられた
garbhas【男性・単数・主格 garbhas】[〜は、〜が]子宮;内部;胎児;嬰児;小児;子孫、親を同じくする雛の群;受胎;芽

तथा तेनेदम् आवृतम् ॥
tathā tenedam āvṛtam ||
タター テーネーダム アーヴリタム
この世は、それに覆われている

tathā【副詞】そのように、同様に;そして、また
tena【中性・単数・具格、指示代名詞 tad】[〜によって、〜をもって]それ、あれ(前節のkāmaやkrodhaを指す)
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
āvṛtam【中性・単数・主格 āvṛta(過去受動分詞 ā√vṛ)】覆われた、隠された、囲まれた;広げられた

धूमेनाव्रियते वह्निर्यथाऽदर्शो मलेन च ।
यथोल्बेनावृतो गर्भस्तथा तेनेदमावृतम् ॥३८॥

dhūmenāvriyate vahniryathā’darśo malena ca |
yatholbenāvṛto garbhastathā tenedamāvṛtam ||38||
火が煙に覆われ、鏡が塵に覆われ、また胎児が羊膜に覆われるように、
この世は、欲望や怒りに覆われている。

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