ダッタートレーヤと24のグル

Dattatraya

グル(導師)は、「闇を取り除く者」を意味するといわれます。精神性を育む道を歩む中で、大きな障壁となる「無知」という暗闇を取り払い、「知識」という光をもたらす存在であるグルは、インドでは現代でも多くの人々に求められる存在です。しかし、グルはシシャ(弟子)の準備が整った時に現れるともいわれ、容易く見つけられるものではないことが伝えられてきました。

そんな中に、ダッタートレーヤと24のグルの話があります。ダッタートレーヤは、聖者アトリとその妻アナスーヤーの子として生まれたと伝えられます。3つの頭をもった姿で描かれ、それはブラフマー神、ヴィシュヌ神、シヴァ神をあらわし、あらゆる霊的性質を備えた神の化身として崇められる存在です。

このダッタートレーヤの24のグルとは何でしょうか。それは、大地、空気、空、水、火、月、太陽、鳩、にしきへび、海、蛾、蜜蜂、象、蜜蜂を集める人、鹿、魚、ピンガラー(遊女)、鳥、子ども、少女、矢師、蛇、蜘蛛、虫であると伝えられます。(バーガヴァタ・プラーナ11編7章33-35節)

ダッタートレーヤは、自分自身を取り巻き、そして育むこの世界のあらわれを見つめては、その動きを学びました。生と死、善と悪、自制と欲望、幸福と不幸、自由と束縛、さまざまに移り変わるこの世界のあらわれは、それを見つめるダッタートレーヤに決して変わることのない真理を気づかせます。

グルとシシャの関係には、真理を得たいというシシャの強い思いと共に、シシャの心の受容力や柔軟性、そして何よりも、謙虚さや献身さが必要不可欠であるといわれます。ダッタートレーヤはそれらの質を失うことなく、自分自身を取り巻く世界をグルとして見つめていました。

ダッタートレーヤがこの世界のあらわれを通じて悟りを得たように、自分自身を取り巻く世界、そしてその一瞬一瞬には、真理に近づくための深い意味が溢れています。与えられる一瞬一瞬を、グルとして崇められるように、どんな時も謙虚さと献身さを持つことが、修行の第一歩ともなるに違いありません。

皆さまにとっても、神聖なグル・プールニマーとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。ダッタートレーヤが悟りを得た、24のグルにまつわる大変興味深い神話も、後日ご紹介させて頂きたいと思います。

(文章:ひるま)

参照:”Your Twenty-Four Gurus”, http://www.purebhakti.com/teachers/bhakti-discourses-mainmenu-61/24-discourses-2005/462-your-twenty-four-gurus.html
“SRIMAD BHAGAVATAM Canto 11 Chapter 7: Lord Krishna Instructs Uddhava”,
http://bhagavata.org/downloads/bhagavatam-canto11.html#7