「子音」の続きを紹介します。
今回の発音/文字は次の5つです。
反舌音 |
デーヴァナーガリー |
カタカナ |
IAST |
音声記号 |
備考 |
|
無 声 音 |
無気音 |
ट |
「タ」 |
ṭa |
ʈə |
舌を反りあげて発音するタ |
有気音 |
ठ |
「タ」 |
ṭha |
ʈʰə |
||
有 声 音 |
無気音 |
ड |
「ダ」 |
ḍa |
ɖə |
舌を反りあげて発音するダ |
有気音 |
ढ |
「ダ」 |
ḍha |
ɖʱə |
||
鼻音 |
ण |
「ナ」 |
ṇa |
ɳə |
舌を反りあげて発音するナ |
今回のグループは反舌音(はんぜつ音)と言われ、
舌先を上に反らせて、口蓋に触れて発する音です。
反り舌音(そりじた音)とも言います。
ローマ字(IAST)では、t、d、nの下に点を付けた記号ṭ、ḍ、ṇ、を使います。
このグループの発音が、カタカナや記号無しローマ字で普通のタ、ダ、ナと区別なく書かれているケースが多いので、反舌音である点に注意が必要です。
また、繰り返しになりますが、デーヴァナーガリーの子音の基本字形(字母)は母音aを含んでいるので、純粋に子音だけのṇを書き表すときは、ण्のように、右下がりの短い線を足します。
今回出てきた発音/文字を使った単語の例
नटराज naṭarāja ナタラージャ(舞踏王=シヴァ神の異名)の「タ」、
अष्ट aṣṭa アシュタ(8つの)の「タ」 (ष् も反舌音のシュ)、
गणपति gaṇapati ガナパティ(ガネーシャの異名)の「ナ」、
कृष्ण kṛṣṇa クリシュナの「ナ」、
などもこの反舌音です。
舌を反り上げて、音の違いを感じてみてくださいね。
(文章:prthivii)
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