蛍のアーサナ

豪雨に猛暑、自然の厳しい姿を見る夏を迎えています。
そんな夏にも、思いを馳せる美しい姿が多くあります。
夕闇を舞う幻想的な蛍の光など、夏の風物詩の一つかもしれません。
きれいな水と豊かな環境の中でしか生きられないといわれる蛍。
その儚い命の光が生み出す美しさに、引き寄せられたことを思い出します。

ヨーガのポーズには、ティッティバーサナというポーズがあります。
水辺の鳥や小さな虫を意味するティッティバは、ヨーガのポーズにおいて蛍を象徴し、幅広く実践されるポーズです。
開脚をしながら両腕で身体を持ち上げるティッティバーサナには、まるで蛍が飛ぶような美しさを見ることができます。

全身の筋力やバランス力に加え、柔軟性を要するこのポーズは、難易度の高いポーズに数えられ、その美しさに至る道は、決して容易いものではありません。
しかし、その修練の過程で少しの進歩が見える時、深い喜びを感じる瞬間があります。
一喜一憂のその修練は、山があり谷がある、人生そのもののように映ります。

喜びや憂いの狭間で揺れ動く私たちの人生。
霊的な世界において、それは真実という光を見失った、無知の暗闇として捉えられてきました。
そんな私たちは、こうしたヨーガの修練を通じ、自分自身と向き合う時間を持つことが大切です。

ティッティバーサナの修練を繰り返す中では、容易に身体が持ち上がり、堅固なバランスの中でポーズを保持できる瞬間があります。
繰り返す修練は、心身を深く浄化し、確かな安定を与えてくれるということを実感するばかりでした。
それは、内なる世界を覆う暗闇を払い、元来の光を輝かせてくれるからに違いありません。

蛍が自分自身で光を生み出すように、私たち自身が内なる光を輝かせることができれば、世界はより美しくなるはずです。
蛍のポーズは、その道を示してくれる修練の一つです。
揺れ動く人生の中でも、世界に光を生み出す美しさの一助となれるよう、大自然の姿を見習いながら日々を過ごしたいと感じます。

(文章:ひるま)