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マントラ

ビージャ・アクシャラ その2

前回のスワミ・シヴァナンダによるビージャ・マントラの解説の続きより
『「ハウム(HAUM)」
このマントラでは、「ハ(Ha)」はシヴァをあらわします。「アウ(AU)」はサダシヴァをあらわします。ナーダ【サンスクリット語で音の意味】とビンドゥ【点の意味。あらゆる創造的なエネルギーがこの点から湧き出るとされる。ビージャ・マントラは通常一文字からなるので、ビンドゥの概念があると考えられる】は、悲しみを払拭することを意味します。このマントラでは、シヴァ神を帰依の対象とします。
「ドゥム(DUM)」
このマントラでは、「ダ(Da)」はドゥルガーをあらわします。「ウ(U)」は守護をあらわします。ナーダは宇宙の母を意味し、ビンドゥは礼拝や祈りなどの行為を意味します。
「クリーム(KREEM)」
このマントラは、カーリカー【ドゥルガーの9つの姿のひとつ】のマントラです。「カ(Ka)」はカーリーをあらわします。「ラ(Ra)」はブラフマンをあらわします。「イー(Ee)」は、マハーマーヤー【マーヤーは幻の意味。非実在の神格としてのドゥルガーの別名】を意味します。ナーダは宇宙の母をあらわし、ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。
「フリーム(HREEM)」
このマントラは、マハーマーヤーあるいはブヴァネーシュヴァラ【世界の主の意味でシヴァ神をあらわす】のマントラです。「ハ(Ha)」はシヴァをあらわします。「ラ(Ra)」はプラクリティ【自然、本質、創造などを意味するサンスクリット語。精神原理プルシャと対比される】をあらわします。「イー(Ee)」はマハーマーヤーを意味します。ナーダは宇宙の母をあらわし、ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。
「シュリーム(SHREEM)」
これはマハーラクシュミーのマントラです。「サ(Sa)」はマハーラクシュミーをあらわします。「ラ(Ra)」は富をあらわします。「イー(Ee)」は充足感や満足感を意味します。ナーダはアパーラ【無限の、計り知れないの意】すなわちブラフマンの化身やイーシュヴァラをあらわします。ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。
「アイム(AIM)」
これは、サラスヴァティーのビージャ・マントラです。「アイ(Ai)」はサラスヴァティーをあらわします。ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。
「クリーム(KLEEM)」
これはカーマのビージャ・マントラです。「カ(Ka)」は欲望の神カーマデーヴァをあらわします。また、「カ」はクリシュナを意味するともいわれます。「ラ(La)」はインドラ【帝釈天】をあらわします。「イー(Ee)」は充足感や満足感をあらわします。ナーダとビンドゥは、しあわせと悲しみをもたらすことを意味します。
「フーム(HOOM)」
このマントラでは、「ハ(Ha)」はシヴァをあらわします。「ウー(U)」はバイラヴァ【恐ろしい者の意味で、シヴァ神の別名】をあらわします。ナーダは至高神をあらわし、ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。このマントラは、鎧のヴァルマ(鎖かたびら)の3部からなるビージャです。
「ガム(GAM)」
これは、ガネーシャのビージャになります。「ガ(Ga)」はガネーシャをあらわします。ビンドゥは悲しみを払拭することを意味します。
「グラウム(GLAUM)」
これも、ガネーシャのマントラです。「ガ(Ga)」はガネーシャをあらわします。「ラ(La)」はあらゆるものに浸透するものを意味します。「アウ(Au)」は、栄光や光輝をあらわします。ビンドゥは、悲しみを払拭することを意味します。
「クシュラウム(KSHRAUM)」
これはナラシンハ【人獅子。ヴィシュヌの化身】のビージャです。「クシャ(Ksha)」はナラシンハをあらわします。「ラ(Ra)」はブラフマーをあらわします。「アウ(Au)」は上を向いた牙をあらわします。ビンドゥは、悲しみを払拭することを意味します。
このほかにも、このようにさまざまな神々をあらわす多くのビージャ・マントラがあります。たとえば、聖仙ヴィヤーサのマントラは「ヴィヤーム(Vyaam)」、ブリハスパティ【祈祷の主の意味。神々の世界の祭官】のマントラは「ブリム(Brim)」、ラーマのマントラは「ラーム(Raam)」などがあげられます。』
このようにビージャ・マントラには、表面的には意味はあまりないといわれていても、内的には深い意味が隠されています。ビージャ・マントラを唱えるときには、このような意味をかみしめつつ、それぞれの神の栄光を想いながら唱えることで、より大きな恩寵がそそがれることでしょう。
参照文献
[1]Swami Sivananda, "Japa Yoga, A Comprehensive Treatise on Mantra-Sastra", pp94-, The Divine Life Society, India, 1992
[2]菅沼晃編、インド神話伝説辞典、東京堂出版、1998

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