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雑記帳

ラーダーの愛

心が躍る春の心地よい気候の中で祝福されるホーリー・フェスティバルは、インドの数ある祝祭の中でも、とりわけ大きな喜びに包まれる瞬間です。
この日、多様な文化が生きるインドの地はカラフルに染まり、それぞれの伝統に基づいて、さまざまな神格への祈りが捧げられます。

クリシュナ神の聖地では、クリシュナ神と牛飼いの乙女であるラーダーの美しい愛が盛大に祝福されます。
妃ではないにも関わらず、クリシュナ神の最愛として崇められるラーダーには、真実の愛に関するさまざまな神話が伝わり、私たちを不変の喜びに導きます。

かつて、クリシュナ神が病に倒れた時のこと、クリシュナ神を愛する牛飼いの乙女たちはひどく心を悩ませました。
クリシュナ神は、病を治す唯一の薬があるといいます。
それは、真の帰依者のチャラナームリタでした。
チャラナームリタは御足の甘露を意味し、主に神やグルの御足を洗った聖水として崇められます。

クリシュナ神の帰依者である牛飼いの乙女たちは、自分こそが真の帰依者だと常に自慢をし合っていました。
しかし、いざチャラナームリタを捧げるとなった時、牛飼いの乙女たちは迷い始めます。
自分の足を洗った水をクリシュナ神に捧げ、病が治らなかったら、真の帰依者ではないと笑われてしまうかもしれません。
牛飼いの乙女たちは、自分自身に疑いを持ち、失敗を恐れ、将来を憂いました。

しかし、ラーダーはすぐさま自分の足を洗い、クリシュナ神にその水を捧げます。
すると、クリシュナ神は瞬く間に病から回復したと伝えられます。
ラーダーは、評価や失敗や将来を恐れることはありませんでした。
クリシュナ神への純粋な愛が、クリシュナ神の回復という喜びをラーダーに祝福します。
ラーダーのその姿は、真の帰依者としての姿を明らかにしました。

私たち自身も、自分に対する評価を気にかけたり、失敗を恐れたり、将来を悲観したりすることが少なくありません。
そうした見かけの事象に惑わされ、クリシュナ神という自分自身の本質である不変の喜びを見失うことが多くあります。

クリシュナ神へ向かう比類のないラーダーの愛は、真の帰依者としての姿だけでなく、大きな喜びの中で生きる術を示してくれます。
芽吹きの季節である春は、愛の情が活発になる時ともいわれます。
盛大な喜びに包まれるホーリー・フェスティバルを通じて、自分自身の内で真実の愛を確かめたいと思います。

(文章:ひるま)

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