2020年12月19日はヴィヴァーハ・パンチャミーの吉日です。
ヴィヴァーハ・パンチャミーは、ラーマ神とシーター女神が結婚をした日として崇められる吉日です。
マールガシールシャ月(11月~12月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の5日目(パンチャミー)がその日にあたります。
古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の舞台の一つで、シーター女神が生まれた場所であり、また、ラーマ神とシーター女神が結婚した場所ともされるネパールのジャナクプルには、各地から帰依者が集まり、盛大な祝福が行われます。
2つの魂の結合を祝福するこの日、ラーマ神の御名やシーター女神のマントラを唱えたり、また祈りを捧げることで、大きな幸せが授けられると信じられています。
ラーマ神とシーター女神の結婚には、以下のような神話が伝わります。
シーター女神の父であるジャナカ王が、婿を選ぶ儀式であるスヴァヤンヴァラを開いたときのことです。
シヴァ神のピナーカと呼ばれる神聖な弓を手にしていたジャナカ王は、この弓に弦を張ることに成功した者が、シーター女神の夫となることができると決めていました。
しかし、弓はとても重く、弦を張るどころか、その弓を持ち上げることができる者すらあらわれません。
ラーマ神にこのスヴァヤンヴァラへ行くよう勧めたのが、師である聖仙ヴィシュヴァーミトラでした。
スヴァヤンヴァラにあらわれたラーマ神は、弓に弦を張るだけでなく、2つに折ってしまうほどの力を見せます。
そうしてシーター女神と結ばれたラーマ神は、美しい愛を通じて、数々の苦難を乗り越えていきます。
ラーマ神とシーター女神を結びつけたこのピナーカは、かつてシヴァ神とヴィシュヌ神との間に、戦いを引き起こしそうになったことがあります。
そこには、シヴァ神とヴィシュヌ神のどちらが強いかという無益な議論がありました。
その戦いは直前で阻止されると、ピナーカはシヴァ神の手から離れ、この地に落ちたといわれます。
そんなピナーカを折ってしまったラーマ神は、正義のあらわれとして崇められます。
ピナーカを折る行為は、エゴを破壊することを象徴しているようであり、そこには純粋の象徴であるシーター女神への愛がありました。
そしてそれを導いたのは、聖仙ヴィシュヴァーミトラという偉大な師の指示でした。
こうして結ばれたラーマ神とシーター女神は、究極の美しさを見せます。
この神話のように、常に純粋さを求め、師の導きの下、エゴを破壊して結ぶ日々は、正義のもとで、究極的に美しい人生を築くでしょう。
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