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雑記帳

勇気の女神

深まる秋の暗い新月の夜、その闇を照らすように、インドの各地ではディーワーリーが祝福されます。
眩い光が灯されるこの美しい祝祭は、豊かさの女神として崇められるラクシュミーへの祈りが捧げられる時でもあります。
ラクシュミー女神は、乳海撹拌を通じて、このディーワーリーの日に姿をあらわしたと信じられています。

乳海撹拌は、霊薬であるアムリタを得るために、神々と悪魔が協力して働いたと伝えられる創造神話です。
大変な苦労を伴うその働きを通じて生まれたいくつかの宝の中に、ラクシュミー女神の姿がありました。
そんなラクシュミー女神には8つの姿があり、アシュタ・ラクシュミーとして崇められています。

アシュタ・ラクシュミーは、さまざまな豊かさのあらわれを象徴し、次のように伝えられます。
アーディ(原始)、ダナ(金)、ダーニャ(穀物)、ガジャ(権力)、サンターナ(子孫)、ヴィーラ(勇気)、ヴィディヤー(知識)、ヴィジャヤ(勝利)。
このアシュタ・ラクシュミーの中のヴィーラ・ラクシュミーには、ある神話が伝わります。
この神話を学ぶと、豊かな人生を送るための術が見えてきます。

アシュタ・ラクシュミーを熱心に礼拝し、王国に富をもたらしたある王がいました。
王の統治のもと、人々は必要なものをすべて手にし、幸せな暮らしを送っていたと伝えられます。
そうして豊かな王国が築かれた時、アシュタ・ラクシュミーは王国を去る時がきたと王に伝えます。
王は悲しみ、ひとつの姿だけでも留まって欲しいと懇願しました。
同意したアシュタ・ラクシュミーは、望むひとつの姿を選ぶように王に伝えます。
そして、王が選んだのは、勇気を意味するヴィーラ・ラクシュミーでした。

しかし、ヴィーラ・ラクシュミーがいなくてはやっていけないと、他のラクシュミー女神は困惑します。
議論の末、ヴィーラ・ラクシュミーだけを残して去ることはできず、8つのラクシュミー女神の姿すべてが王国に留まったと伝えられます。

8つのラクシュミー女神の姿にあらわされた豊かさを、ひとつだけ選ばなければならない時、私たちは何を選ぶでしょうか。
ラクシュミー女神が大変な働きから生じたように、豊かさを得るには、何よりも働きが欠かせません。
そのために必要なのが、その大変な働きを行う勇気です。
私たちがその勇気を持ち続ける時、そこにはいかなる時も、溢れんばかりの豊かさがあり続けるはずです。

(文章:ひるま)

参照:Veera Lakshmi (Dhairya Lakshmi):The Provider Of Courage

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