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雑記帳

雨の季節

変化に富みそれぞれの地が異なる姿を見せる広大なインドにも、日本の梅雨のような雨の季節がゆっくりと南から訪れます。6月にもなれば南部はモンスーンの季節を迎え、7月には北インドにも激しい雨が降り始めます。2か月は続くこの雨にうんざりすることがあっても、このモンスーンの始まりはとても好きな瞬間でした。
モンスーンの雨は突如としてやってきます。突風が吹き荒れ始めると途端にかんかんと照っていた太陽が顔を隠し、辺りが一瞬の内に暗闇に包まれると、次の瞬間にはまさにバケツをひっくり返したような大雨が降り出します。
45℃の酷暑を過ごしてきた人々にとって、そんなモンスーンは恵の雨として欠かすことができません。乾ききった大地は潤いを取り戻し、気温も少しですが下がり始めます。ほこりにまみれた大地は大量の雨によって洗い流され、辺りの風景も見違えるほどに輝きを増します。
暴風雨はまさに荒れ狂う自然の姿です。全てを洗い流し風水害を引き起こしながらも、その雨と風は大地に恵みをもたらし、豊穣と安寧をもとに人々の生活をしっかりと支えています。そんなところにも、インドではしっかりと神の姿が佇んでいます。暴風雨神として知られるルドラー神はモンスーンの神格化であり、破壊と共に豊穣をもたらすとして、人々は祈りを捧げることを欠かしません。
身がすくむほど恐ろしい雨風であっても、その後に訪れる静けさと澄み渡った空気の美しさ、その幻想的な空間にいつの時もぐっと引き込まれていったのを覚えています。暴風雨に電気は止まり、灯すろうそくの灯りに映し出される神像の姿、濃い霧に色とりどりの寺院が取り込まれていく風景、あらゆるものが言葉にならないほど美しいものでした。
なぜかインドでは、どんな瞬間にもそこに存在する神の姿を見るように思います。厳しい自然と共に生きる時、自らが生かされている存在だと気づく瞬間に恵まれているからなのかもしれません。そこに偉大な存在がなければ、私たちは決して営みを続けられないのだとそう気づかされているのだと感じます。そんなインドの世界を想い、今日も惹かれながら過ごしています。
(文章:ひるま)

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