インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
लभन्ते ब्रह्मनिर्वाणम्
labhante brahmanirvāṇam
ラバンテー ブラフマニルヴァーナム
彼らはブラフマンにおける涅槃に達する
labhante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼らは〜、それらは〜]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
brahmanirvāṇam【中性・単数・対格 brahmanirvāṇa】[〜に、〜を]ブラフマン(梵)の中に帰入すること、ブラフマンにおける涅槃、梵涅槃
ऋषयः क्षीणकल्मषाः ।
ṛṣayaḥ kṣīṇakalmaṣāḥ |
リシャヤハ クシーナカルマシャーハ
罪障を滅した聖仙たちは
ṛṣayas【男性・複数・主格 ṛṣi】[〜らは、〜らが](聖讃歌の)詩人・作者、詩人、詩人の祭官;聖人、賢人、聖仙;隠者
kṣīṇa【√kṣiの過去受動分詞】減った、欠けた(月);失われた、尽きた、終わった;微かな;弱い、薄い、痩せた;貧弱な;哀れな;破られた、傷つけられた
kalmaṣās【中性・複数・主格 kalmaṣa】汚物;汚点;屑、廃物、沈殿物;道徳的汚点;犯罪、罪過;暗黒
→kṣīṇakalmaṣās【中性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]罪悪を滅した、罪障が消滅した
छिन्नद्वैधा यतात्मानः
chinnadvaidhā yatātmānaḥ
チンナドヴァイダー ヤタートマーナハ
疑惑を断ち、心を制御し
chinna【√chidの過去受動分詞】切られた、切り取られた、切断された;刻目を付けられた;束縛された;失われた
dvaidhās【中性・複数・主格 dvaidha】二元性;二重;相違、分離;論争、論議、反駁;疑惑、不安、不確実;予備の陣列;軍隊の分割 【形容詞】二つに分けられた;二重の、二倍の
→chinnadvaidhās【男性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]疑を去った、疑惑を断ち切った
yata【√yamの過去受動分詞】抑制された、制御された、阻止された
ātmānas【男性・複数・主格 ātman】気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
→yatātmānas【男性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]自己を抑制した、心を制御した
सर्वभूतहिते रताः ॥
sarvabhūtahite ratāḥ ||
サルヴァブータヒテー ラターハ
一切衆生の幸福を喜ぶ(聖仙たちは)
sarvabhūta【中性】一切の存在物、万物、一切衆生
hite【中性・単数・処格 hita(√dhāの過去受動分詞)】ためになること、利益、有利、安寧、善;よい忠告 【形容詞】〜のなかへ置かれた、横たえられた;〜に位置した・横たわっている・含まれている;建てられた、用意された、並べられた;〜に対して有益な・ためになる・有利な・好都合な・適した;好意ある;好意を有する、友好的な、親切な
→sarvabhūtahite【中性・単数・処格】[〜において、〜のなかで]一切衆生の利益、すべての生類の幸福
ratās【男性・複数・主格 rata(√ramの過去受動分詞)】[〜らは、〜らが]喜んだ、満足した、喜ばしい
लभन्ते ब्रह्मनिर्वाणमृषयः क्षीणकल्मषाः ।
छिन्नद्वैधा यतात्मानः सर्वभूतहिते रताः ॥२५॥
labhante brahmanirvāṇamṛṣayaḥ kṣīṇakalmaṣāḥ |
chinnadvaidhā yatātmānaḥ sarvabhūtahite ratāḥ ||25||
罪障を滅し、疑惑を断ち、心を制御し、一切衆生の幸福を喜ぶ
聖仙たちは、ブラフマンにおける涅槃に達する。
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