インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
ये चैव सात्त्विका भावा
ye caiva sāttvikā bhāvā
イェー チャイヴァ サーットヴィカー バーヴァー
サットヴァに属する状態は
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】〜であるところの、〜であるもの、〜である人
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
sāttvikās【男性・複数・主格 sāttvika】元気のよい、精力の盛んな(人間);サットヴァ(三グナの一つ)と関係した、サットヴァによって支配された等;内面的な感情・情緒を示す
bhāvās【男性・複数・主格 bhāva】[〜らは、〜らが]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
राजसास् तामसाश्च ये ।
rājasās tāmasāśca ye |
ラージャサース ターマサーシュチャ イェー
そしてラジャスとタマスに属する
rājasās【男性・複数・主格 rājasa】ラジャス(動性)に属する・関する、激情を賦与された
tāmasās【男性・複数・主格 tāmasa】暗い;タマスの性質に関する、誤謬・無知と関係した、無知な;種々の
ca【接続詞】そして、また、〜と
ye【男性・複数・主格、関係代名詞 yad】〜であるところの、〜であるもの、〜である人
मत्त एवेति तान् विद्धि
matta eveti tān viddhi
マッタ エーヴェーティ ターン ヴィッディ
実に私からのものと、それらを知れ
mattas【単数・従格、一人称代名詞 mad】[〜から、〜より]私
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
iti【副詞】〜と、〜ということ、以上(しばしば引用句の後に置かれる)
tān【男性・複数・対格、指示代名詞 tad】[〜らに、〜らを]これ、あれ、彼
viddhi【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √vid】[あなたは〜せよ]知る、理解する、気付く、学ぶ
न त्व् अहं तेषु ते मयि ॥
na tv ahaṁ teṣu te mayi ||
ナ トヴ アハン テーシュ テー マイ
しかし、私はそれらの中になく、それらが私の中にある
na【否定辞】〜でない
tu【接続詞】しかし、一方(虚辞としても使用)
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[〜は、〜が]私
teṣu【男性・複数・処格、指示代名詞 tad】[〜らにおいて、〜らのなかで]それ、あれ、彼
te【男性・複数・主格、指示代名詞 tad】[〜らは、〜らが]それ、あれ、彼
mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私
ये चैव सात्त्विका भावा राजसास्तामसाश्च ये ।
मत्त एवेति तान् विद्धि न त्वहं तेषु ते मयि ॥१२॥
ye caiva sāttvikā bhāvā rājasāstāmasāśca ye |
matta eveti tān viddhi na tvahaṁ teṣu te mayi ||12||
サットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(暗質)に属する状態は、私から生じると知りなさい。
しかし、私はそれらの中にはなく、それらが私の中にある。
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