インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
त्रिभिर् गुणमयैर् भावैर्
tribhir guṇamayair bhāvair
トリビル グナマヤイル バーヴァイル
三種の要素(グナ)よりなる状態によって
tribhis【男性・複数・具格 tri】[〜らによって、〜らをもって]3
guṇamayais【男性・複数・具格 guṇamaya】[〜らによって、〜らをもって]糸よりなる、繊維質の;徳ある;根本三元素よりなる
bhāvais【男性・複数・具格 bhāva】[〜らによって、〜らをもって]生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
एभिः सर्वम् इदं जगत् ।
ebhiḥ sarvam idaṁ jagat |
エービヒ サルヴァム イダン ジャガット
これらによって、この全世界は
ebhis【男性・複数・具格、指示代名詞 idam】[〜らによって、〜らをもって]これ
sarvam【中性・単数・主格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】[〜は、〜が]これ
jagat【中性・単数・主格 jagat】[〜は、〜が]すべての動くもの;動物;人;世界、この世;大地;(両数)天上と下界;(複数)諸世界
मोहितं नाभिजानाति
mohitaṁ nābhijānāti
モーヒタン ナービジャーナーティ
惑わされ、認識しない
mohitam【中性単数・主格 mohita(√muhの使役活用)】混乱した、知覚を失った、呆然とした、途方に暮れた
na【否定辞】〜でない
abhijānāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 abhi√jñā】[彼は〜、それは〜]了解する、悟る、知る;(対格)を(対格)と認める・見なす;記憶する
माम् एभ्यः परम् अव्ययम् ॥
mām ebhyaḥ param avyayam ||
マーム エービヤハ パラム アヴィヤヤム
これらより高い不変の私を
mām【単数・対格、一人称代名詞 mad】[〜を、〜に]私
ebhyas【男性・複数・為格、指示代名詞 idam】[〜らに、〜らのために]これ
param【男性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
avyayam【男性・単数・対格 avyaya】不滅の、不変の;慳貪の
त्रिभिर्गुणमयैर्भावैरेभिः सर्वमिदं जगत् ।
मोहितं नाभिजानाति मामेभ्यः परमव्ययम् ॥१३॥
tribhirguṇamayairbhāvairebhiḥ sarvamidaṁ jagat |
mohitaṁ nābhijānāti māmebhyaḥ paramavyayam ||13||
この三種の要素(グナ)からなる状態によって、
この全世界は惑わされ、これらより高い不変の私を認識しない。
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