インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った
śrībhagavān【男性・単数・主格 śrī-bhagavat】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】[彼は〜した]言う、語る
अक्षरं ब्रह्म परमं
akṣaraṁ brahma paramaṁ
アクシャラン ブラフマ パラマン
ブラフマンは不滅であり、最高のものである
akṣaram【中性・単数・主格 akṣara】不壊の、不滅の
brahma【中性・単数・主格 brahman】[〜は、〜が]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
paramam【中性・単数・主格 parama】最も遠い、最も遠隔の、最も極端な、最後の;最高の、主な、第一位の;至高の、超越した;最も優秀な、最善の、最大の;最悪の;〜より良い、〜より大きな、〜より悪い
स्वभावो ऽध्यात्मम् उच्यते ।
svabhāvo 'dhyātmam ucyate |
スヴァバーヴォー ディヤートマン ウッチャテー
本性が至高の自己(アートマン)と言われる
svabhāvas【男性・単数・主格 svabhāva】[〜は、〜が]固有のあり方、生まれつきの性質、素質、本性
adhyātmam【中性・単数・主格 adhyātma】[〜は、〜が]至上の霊、行動の作因としての霊 【形容詞】自己の、自己に特有な 【副詞 adhyātmam】自己・個性に関して
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[彼は〜される、それは〜される]言う、話す
भूतभावोद्भवकरो
bhūtabhāvodbhavakaro
ブータバーヴォードバヴァカロー
万物の状態を生じる
bhūta【男性】存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
bhāva【男性】生成すること、生起すること、起こること;(―゜)に変わること、(処格)に変化すること;在ること、存在;永続、存続;〜である状態;あること・成ること;振る舞い、行状;状態、状況;階級、地位
udbhava【男性】起源、出生、出現;成長;誕生地 【形容詞】〜より生じた、〜より造られた
karas【男性・単数・主格 kara】行う、為す;惹起する、生ずる[一般に―゜(合成語の終わり)]
→bhūtabhāvodbhavakaras【男性・単数・主格、限定複合語】万物の状態を生じる、被創造物の存在を生じる
विसर्गः कर्मसंज्ञितः ॥
visargaḥ karmasaṁjñitaḥ ||
創造が行為と知られる
visargas【男性・単数・主格 visarga】[〜は、〜が]流出、解放;停止、終わり;放出;(大便の)排出;(人の)解雇;授けること、与えること;投げること、放出すること、まき散らすこと;創ること;創造、産物;語尾の気音ḥ(文法)
karma【中性・単数・主格 karman】[〜は、〜が]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
saṁjñitas【男性・単数・主格 saṁjñita(saṁ√jñāの名詞起源動詞・過去受動分詞)】知られた、伝えられた;合図された;呼ばれた、称せられた
श्रीभगवानुवाच ।
अक्षरं ब्रह्म परमं स्वभावोऽध्यात्ममुच्यते ।
भूतभावोद्भवकरो विसर्गः कर्मसंज्ञितः ॥३॥
śrībhagavānuvāca |
akṣaraṁ brahma paramaṁ svabhāvo'dhyātmamucyate |
bhūtabhāvodbhavakaro visargaḥ karmasaṁjñitaḥ ||3||
クリシュナは語った。
ブラフマンは不滅であり、最高のものである。本性が至高の自己(アートマン)と言われる。
万物の状態を生じる創造が、行為と知られる。
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