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ラタ・ヤートラー2014

2014年6月29日は、ラタ・ヤートラーの吉日です。

ラタ・ヤートラーは、東インドに位置するオリッサ州の聖地プリーにて、クリシュナ神の化身であるジャガンナータ神を讃える祝祭です。
アーシャーダ月(6月~7月)のシュクラ・パクシャ(新月から満月へ向かう半月)の2日目(ドヴィティーヤー)に始まり、9日間にわたって続く盛大なお祭りとして知られます。

ラタ・ヤートラーは、豪華な山車が街を練り歩くことで世界的にも有名な祝祭です。
一説に、悪行を働いていたカンサ王を打ち破ったクリシュナ神(ジャガンナータ神)が、兄のバララーマと妹のスバドラーと共に山車に乗り帰還したことを祝福するお祭りであるといわれ、豪華絢爛な山車と共に進むジャガンナータ神の姿が多くの人々を惹きつけます。

そんな山車は馬車とも捉えられ、精神性を学ぶ上で多くの例えに用いられるものです。
カタ・ウパニシャッドにおいては、「真我(アートマン)は車主であり、肉体は馬車、理性が御者、そして意思が手綱である。」(カタ・ウパニシャッド第3章3~4節)と、人の体、心、そして精神のあり方が述べられています。

苦楽を生み出す感覚器官に操られる肉体を、意志と言う手綱を持って導くことは、精神性を向上させるための道において、もっとも強調される努めるべく行いのひとつです。
その先にあるものは、体、心、そして精神の統一であり、乱れのないその小さな世界の中において、偉大な存在に気づくことが可能になります。

ジャガンナータ神を乗せたひとつの大きな山車が、集まった個々の手によって真っ直ぐに導かれる様子こそ、一人一人が偉大な存在の下にひとつであることを物語っています。
心が主に定まる時、そこには常に平和があることを私たち自身が証明しているかのように映ります。

また、ラタ・ヤートラーにおいて山車を引くことは、良いカルマを創出し、悪いカルマを浄化するための苦行としても理解されています。
この身体を使った奉仕は、自己浄化の過程であり、内面的な成長への道を切り開く重要な手段として、新たな始まりの象徴となっています。

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