インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
वेदेषु यज्ञेषु तपःसु चैव
vedeṣu yajñeṣu tapaḥsu caiva
ヴェーデーシュ ヤジュニェーシュ タパハス チャイヴァ
ヴェーダ、祭祀、そして苦行において
vedeṣu【男性・複数・処格 veda】[〜において、〜のなかで]知識、祭祀の知識;ヴェーダ、神聖な知識;知覚
yajñeṣu【男性・複数・処格 yajña】[〜において、〜のなかで](祈祷または讃歌をもってする)崇拝;祭式の儀礼、祭式
tapaḥsu【中性・複数・処格 tapas】[〜において、〜のなかで]熱;火;苦悩;苦行、自責、抑制、宗教的苦行、敬虔
ca【接続詞】そして、また、〜と
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
दानेषु यत् पुण्यफलं प्रदिष्टम् ।
dāneṣu yat puṇyaphalaṁ pradiṣṭam |
ダーネーシュ ヤット プンニャパラン プラディーシュタム
布施において、定められた功徳の果報を
dāneṣu【中性・複数・処格 dān】[〜において、〜のなかで]与えること、(娘を)嫁がせること、贈ること、(供物を)捧げること;(負債を)支払うこと;施物;喜捨;贈賄;付加;捧物、供物
yat【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
puṇyaphalam【中性・単数・体格 puṇya-phala】[〜に、〜を]善業の結果、善行の果報、報酬
pradiṣṭam【中性・単数・体格 pradiṣṭa(pra√diśの過去受動分詞)】指摘された、指示された;宣言された;規定された;指定された
अत्येति तत् सर्वम् इदं विदित्वा
atyeti tat sarvam idaṁ viditvā
アティイェーティ タット サルヴァム イダン ヴィディットヴァー
そのすべてを超越し、これを知って
atyeti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 ati√i】[彼は〜、それは〜]過ぎる;横切る;経過する;入る;追い越す;優越する;征服する;避ける;(従格)より離れる
tat【中性・単数・対格、指示代名詞 tad】[〜に、〜を]それ、あれ、これ
sarvam【中性・単数・対格 sarva】すべての、一切の、各々の;全体の
idam【中性・単数・対格、指示代名詞 idam】[〜に、〜を]これ
viditvā【絶対分詞 √vid】[〜して、〜してから]知る、理解する、気付く、学ぶ
योगी परं स्थानम् उपैति चाद्यम् ॥
yogī paraṁ sthānam upaiti cādyam ||
ヨーギー パラン スターナム ウパイティ チャーディヤム
ヨーガ行者は、最高なる原初の境地に到達する
yogī【男性・単数・主格 yogin】[〜は、〜が]ヨーガ行者、修行者、実践者
param【中性・単数・対格 para】最高の;より優れた、より高い、より良い、より悪い;最上の、卓越した、最善の;最大の
sthānam【中性・単数・対格 sthāna】[〜に、〜を]地位、身分、階級;住居、住所、場所、地点;(ある神の)世界・領域(地、空、天)
upaiti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 upa√i】[彼は〜、それは〜]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる
ca【接続詞】そして、また、〜と
ādyam【中性・単数・対格 ādya】第一の、最初の、始めの
वेदेषु यज्ञेषु तपःसु चैव दानेषु यत्पुण्यफलं प्रदिष्टम् ।
अत्येति तत्सर्वमिदं विदित्वा योगी परं स्थानमुपैति चाद्यम् ॥२८॥
vedeṣu yajñeṣu tapaḥsu caiva dāneṣu yatpuṇyaphalaṁ pradiṣṭam |
atyeti tatsarvamidaṁ viditvā yogī paraṁ sthānamupaiti cādyam ||28||
ヨーガ行者はこれを知り、ヴェーダ、祭祀、苦行、布施において定められた
功徳の果報のすべてを超越し、最高なる原初の境地に到達する。
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