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雑記帳

ラーマとハヌマーンの絆

9日間に渡る春のナヴァラートリの最終日は、正義の象徴であるラーマの降誕祭が祝福され、その御名が各地に美しく響き渡ります。
その6日後の満月には、一部の地域において、ラーマに献身的に仕える猿神ハヌマーンの降誕祭が祝福されます。
こうした祝祭やそこに伝わる神話の数々は、私たちの人生に多くの教訓を与える深い意味を持っています。

そんな神話の中に、ラーマがもっとも敬虔な信者であるハヌマーンを殺そうとした、ある争いの話が伝わります。
それは、ラーマ自身とラーマの御名のどちらが強いかという議論が生まれたことにありました。

聖仙や賢者たちの多くは、ラーマの御名よりも、ラーマ自身の方が強いと主張をします。
しかし、数々の聖典をこの世に伝えてきた大聖仙であるナーラダだけは、ラーマの御名の方が強いと主張をしました。

そんなナーラダはハヌマーンのもとへ行き、聖仙ヴィシュヴァーミトラへ無礼を働くよう指示します。
ハヌマーンがその指示に従うと、ヴィシュヴァーミトラは怒り、ハヌマーンを殺すようラーマに命じました。
ヴィシュヴァーミトラはラーマのグルであったため、ラーマはハヌマーンを殺さなければなりません。

ハヌマーンは落ち込み、愛するラーマがなぜ自分を殺そうとするのか、深く混乱しました。
すると、ナーラダはハヌマーンに近づき、ラーマの御名を唱えるように伝えます。
ラーマはハヌマーンに矢を撃ち始めるも、ラーマの御名を真の献身で唱えるハヌマーンに、矢は当たりません。

ナーラダがヴィシュヴァーミトラへこの策略の意味を伝えると、ヴィシュヴァーミトラはその怒りを静め、ラーマとハヌマーンの争いは終わりました。
ナーラダはこの争いを通じて、ラーマの御名がラーマ自身よりも強いことを証明したのです。

ラーマとハヌマーンのこの神話は、神への信仰が神自身よりも強いという美しい意味を伝えています。
ハヌマーンは、ラーマのもっとも敬虔な信者でした。
その信仰は何よりも強力で、ラーマすらハヌマーンを倒すことはできませんでした。

不正が世界を覆い尽くすといわれるカリユガの現代では、この神の御名が、最も強力な武器かつ防具となるといわれます。
そこには、信仰という何よりも強い心があるからに他ありません。

私たちは、日々のさまざまな出来事に落ち込み、混乱することが多くあります。
ハヌマーンのように、ラーマの御名を唱え続ける強い信仰がある限り、そこには何よりも強い加護があるに違いありません。

(文章:ひるま)

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