バガヴァッド・ギーター第4章第35節

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यज् ज्ञात्वा न पुनर् मोहम्
yaj jñātvā na punar moham
ヤジュ ジュニャートヴァー ナ プナル モーハム
それを知れば、再び迷妄にない

yad【中性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
jñātvā【絶対分詞 √jñā】[〜して、〜してから]知る;〜を察知する、〜の知識を有する、(具格)によって認識する;悟る;覚える、経験する、確かめる、調べる;是認する;〜と考える、〜と仮定する、〜と推測する;認める、証す、許す
na【否定辞】〜でない
punar【副詞】後方へ、家へ;再び、新たに;更に、これ以上、なお、まだ;更にまた、かつまた、その他;それに反して、一方において、しかしながら、それにもかかわらず
moham【男性・単数・対格 moha】[〜に、〜を]意識の喪失、当惑;迷妄、惑溺;愚行、誤謬

एवं यास्यसि पाण्डव ।
evaṁ yāsyasi pāṇḍava |
エーヴァン ヤースヤシ パーンダヴァ
このように陥ら(ない)だろう、アルジュナよ

evam【副詞】このように、こんなふうに、そんなふうに
yāsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √yā】[あなたは〜だろう]動く、行く、歩く、赴く;〜に帰する、〜に陥る、〜を招く、〜を経験する、〜に到達する
pāṇḍava【男性・単数・呼格 pāṇḍava】[〜よ]パーンドゥの息子。ここではアルジュナのこと

येन भूतान्य् अशेषेण
yena bhūtāny aśeṣeṇa
それにより、万物を隈無く

yena【中性・単数・具格、関係代名詞 yad】[〜によって、〜をもって]〜であるもの、〜である人、〜であるとき
bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
aśeṣeṇa【男性・単数・具格 aśeṣa】[〜によって、〜をもって]残余なきこと 【形容詞】全部の、すべての、完全な

द्रक्ष्यस्य् आत्मन्य् अथो मयि ॥
drakṣyasy ātmany atho mayi ||
ドラクシャッシ アートマニ アトー マイ
あなたは見るだろう、自己の中に、さらに私の中に

drakṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √dṛś】[あなたは〜だろう]見る、注目する、観察する;訪ねる、仕える;視る;見なす、考量する;(具格)によって認める;確かめる;発見する;審査する;〜に気をつける、試験する;心眼で見る(天啓を享ける)
ātmani【男性・単数・処格 ātman】[〜において、〜のなかで]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
atho【副詞】その時に、その場合;さて;さらに、同様に;次に;そのため、従って;しかしながら
mayi【単数・処格、一人称代名詞 mad】[〜において、〜のなかで]私

यज्ज्ञात्वा न पुनर्मोहमेवं यास्यसि पाण्डव ।
येन भूतान्यशेषेण द्रक्ष्यस्यात्मन्यथो मयि ॥३५॥

yajjñātvā na punarmohamevaṁ yāsyasi pāṇḍava |
yena bhūtānyaśeṣeṇa drakṣyasyātmanyatho mayi ||35||
それを知れば、再びこのような迷妄に陥ることはないだろう、アルジュナよ。
それにより、あなたは万物を隈無く、自己の中に、さらに私の中に見るだろう。