クリシュナの誕生と8つのヨーガ

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クリシュナ神の誕生にまつわる神話には、その一つ一つにとても深い意味が秘められ、霊性を育む教えの中でさまざまに例えられながら教えられることが多くあります。その誕生について改めて見つめ直し、クリシュナ神の存在について考えたいと思います。

クリシュナ神の誕生には、悪事を働いていたカンサ王との間に深い繋がりがあります。ある時、カンサ王はヴァスデーヴァとデーヴァキーの8番目の子ども、すなわちクリシュナ神に殺されるという予言を耳にします。恐れたカンサ王は、ヴァスデーヴァとデーヴァキーを牢屋に閉じこめ、生まれてくる子供を次々に殺してしまいました。クリシュナ神はこの牢屋で生まれるも、さまざまな状況が重なり、カンサ王の悪の手から逃れます。クリシュナ神が生まれたのは、満月から8日目の暗い真夜中であったといわれます。

この牢屋が意味するものは、感覚や欲望に束縛されている私たち自身の姿であると教えられたことがありました。そこは、無知という暗闇に包まれています。この暗闇の中にクリシュナ神が生まれたことは、私たちの無知という暗闇に気づきという光が生じたことを意味するといわれます。それは、永遠不変の喜びを知ることに他ありません。

ヴァスデーヴァとデーヴァキーの8番目の子どもであり、満月から8日目に生まれたクリシュナ神。この光を生じさせるために必要なさまざまな行いがある中で、そのひとつとして教えられたのが、アシュターンガ・ヨーガです。

アシュターンガ・ヨーガは8段階のヨーガの修行であり、それは私たちが社会を生きていく中で実践可能なヨーガでもあります。清く正しい行いを努めることに始まり、座法や呼吸法、感覚の制御によって肉体の浄化を経た後、集中や瞑想によって精神的な浄化を努めます。私たちがこの8段階のヨーガを登りつめたとき、永遠不変の喜びであるクリシュナ神が生まれます。

神々の誕生の意味には、私たちが生きる日々の中で理解すべく、大切な意味が秘められています。それを知ることで神々の存在の意味に近づき、より良い人生を歩む助けを得ることができるに違いありません。今年のクリシュナ降誕祭が1カ月後に迫り、クリシュナ神の誕生の意味について、自分自身の内で深く理解できるように学びを深めたいと感じています。

(文章:ひるま)