ジャガンナータ神の大きな目

さまざまな姿となってあらわれるインドの神々の中でも、ジャガンナータ神ほど、カラフルで愛くるしい姿はありません。
大きなまん丸とした目が輝くジャガンナータ神は、クリシュナ神の化身として崇められます。
クリシュナ神がこのような姿となってあらわれた理由には、さまざまな神話が伝わります。

クリシュナ神は、その生誕の地として有名であるヴリンダーヴァンにおいて、人々と共に幸せで豊かな日々を過ごしていました。
そんなヴリンダーヴァンを去ったクリシュナ神は、その後、ドワールカーの地を治め始めます。
ヴリンダーヴァンでクリシュナ神と共に過ごした人々は、クリシュナ神のいない地で、悲嘆に暮れた日々を過ごしていました。

ある時、クリシュナ神がドワールカーの地で沐浴をするという話が伝わると、ヴリンダーヴァンの人々はクリシュナ神に会おうと、ドワールカーの地を訪れます。
その際、ドワールカーの人々に、クリシュナ神と共に過ごした甘い日々の思い出を語り始めました。
別離の苦しみの中にあった人々のその話は、愛の火を燃やすかのように、熱く激しいものでした。

その話は、クリシュナ神にも伝わります。
人々が語る深く熱い愛を知った時、クリシュナ神は恍惚状態に陥り、その目は見開いたように大きくなったのだと伝えられます。
やがて、その姿はジャガンナータ神としてあらわれました。
ジャガンナータ神としてあらわれたクリシュナ神の大きな目と愛くるしい表情は、クリシュナ神の純粋な愛を示しています。

私たちは時に、神の姿が見えず、その存在を遠くに感じ、苦しむことがあります。
しかし、クリシュナ神はジャガンナータ神の姿となって、遍在する神の愛を示しました。
その存在は、宇宙の主として、私たちの周りにあり続けます。
大きな目で常に私たちを見ていると理解する時、その偉大な存在をより近くに感じ、確かな安らぎを得ることができるに違いありません。

インドの神々は、私たちが真理に近づきやすいように、さまざまな姿となってあらわれます。
そんな神々の表情を学びながら、常にその存在とのつながりを深め、幸せな日々を過ごす努力をしたいと感じます。

(文章:ひるま)