シヴァ神の慈悲

シヴァ神を讃えるもっとも神聖なひと月とされるシュラヴァナ月。
2018年は7月28日~8月26日(地域によっては8月12日から9月9日)となり、ジャパや瞑想といった霊性修行を行うことが勧められます。
シヴァ神は、この月に起きた天地創造の神話である乳海攪拌において、世界を救うために猛毒のハラーハラを飲み込んだと伝えられます。

乳海撹拌は、不死の霊薬であるアムリタを得るために、神々と悪魔が協力し海を撹拌したと伝えられる神話です。
その過程では、霊薬であるアムリタだけでなく、猛毒であるハラーハラも生み出されてしまいます。

世界を救うために、その猛毒であるハラーハラを飲み込んだのがシヴァ神でした。
猛毒によって青くなった喉を持つシヴァ神は、後にニーラ・カンタ(青い喉)と呼ばれ、崇められるようになります。

一方で、生み出された霊薬であるアムリタを盗み、飲み込んだのがラーフでした。
その行為はヴィシュヌ神に見つかり、罰せられると、首と胴体を切り離され、後にラーフとケートゥという悪星になったといわれます。

他のために自らを犠牲にしたシヴァ神は、猛毒に倒れることなく、現代でも偉大なる神として崇められています。
しかし、欲望のもとで行為を成したラーフは、霊薬にも救われることなく、悪星として蔑まれるようになりました。

欲望のもとで行為を成す時、私たち自身も、自らの質を低下させてしまいます。
しかし、他のために自らを犠牲にする時、内なる世界は浄化され、シヴァ神のような偉大なる神としての質を高めることができるはずです。

大きな世界に神々と悪魔が存在するように、肉体という小さな世界を持つ私たちの内にも、神性と悪性が渦巻いています。
シュラヴァナ月は、霊性修行によって、その神性を磨く重要な時です。
社会の中で生きる私たちにとっては、世界を救うためにシヴァ神が猛毒を飲み込んだように、他を思う気持ちを実践するだけでも、自分自身の神性さを磨く、何よりもの霊性修行となるに違いありません。

皆様にとって、シュラヴァナ月がシヴァ神の祝福に満ちた、実りあるひと月となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)