185、アーユルヴェーダ音楽療法入門47(用語辞典:カ-3-)

カルマ:続き
余談:
(私事で恐縮ですが)、1978年から1999年迄、都下:吉祥寺南口の駅前で、日本初の民族音楽ライブスポットを経営し、開店当初の二年程、紙芝居と人形劇に民族音楽生演奏を加えた「子供会」を行っていました。世界中の民話・童話を集め、制作しながらでしたが、インドのものが全く集まらなかった。60席が満席になることなど全く無かったのですが、数家族でも喜んで下さった。しかし、最も長く学んでいるインドの出し物が無いことで、次第にやる気を失ってしまったのです。

元々イソップ寓話などはメインではなかったのですが、それでもインド以外のアジアやアフリカの民話には、現代日本の子供やその親に役立つものも少なくないと思った。ところがインド民話、例えば「畑に作物が育たない~神に祈ったら天から竹笛が降って来た~笛を吹いたら作物が育った」の調子。これには唖然としました。

「カルマ:人生の指針・困難を乗り越える・自己実現の基盤」という重要なテーマに於いて、はなはだ不適当な例えですが、喩えば、「満員電車に空席を見つけた」→「座ったらガムがこびり着いていてズボンが汚れた」ようなものが、「AとB:前世が蓄積したカルマ」と言えます。喩えば、「長閑な公園で一休み」「ベンチの周りにレジ袋のゴミが散乱していて見苦しく不愉快だった」もしかり。「見ないようにしよう」「見なかったことにしよう」が、現代人のほとんどになりつつある。そして「立ち去り際に思い出して腹が立ったから自分もそこらに捨てた」という人間も日々急増している。
2ヶ月毎朝井の頭池をジョギングして2ヶ月で20kgシェイプアップした頃。しばしばご老人たち数十人の大群の「ラジオ体操」と出くわしました。初めての時が日曜の朝で、前夜の若者のレジ袋が満杯のゴミ籠を溢れ、後からの者たちは、公園中にバラ撒いて居た。私はご老人たちの「まず公園の清掃だ!そして気持良く体操しよう!」の姿を期待して、自分も加わろうと思ったその瞬間。老人たちは、まるで「ゴミなど見えなかった」かのように体操をして、和気藹々と散会して行った。今から25年ほど前。彼らは紛れも無く「軍国少年」か、「ギリギリ徴兵を免れた」世代。公園は、天皇御料地が下賜された恩賜公園。

カルマ・インドリヤ
(1)5種の(発声、操作、移動、生殖、排泄 )行動器官のこと。本来「インドリヤ」は、「感覚・知覚」であるから、この「5種行動器官」の内面で内発させる感覚と捉えるべきであろう。
(2)「カルマ:行為(この場合は前述の5種に限らない)」を内発的に導く感覚。前述の「カルマ論」に関連して、特にジャイナ教が厳しく説いた「前世に蓄積された因のカルマ」が源泉。或る意味「魂の意思」。Liaisonで「カルメンドリア」と発音されることが多い。

ジャイナ教の教えにも、仏教の教えにもあるように、「前世のカルマ」には、常に「善業と悪業」があり、魂が善業の記憶だけを持っている筈がない。現代社会に蔓延する「癒し・労わり・同情優先の指向性」と「自分は何も悪い事をしていない」という「美化意識」。「むしろ被害者だ」という「被害者意識」に対して、それを「迎合・扇動」していることを「救い」であり「喜ばせること=励ますこと」と解して省みない説明では、この「カルマ・インドリヤの発想・動機」を「社会的制約や、親・教師・友人・上司などが歪めてしまう」と説く。恐ろしく偏重している。
その一方で、ブラフマン教・ヒンドゥー教の精神的土壌に立つインド文化とその伝統と、アブラハム教の「善悪観念」は、必ずしも一致しない。ましてや「人間のエゴ・欲・人間本意」が創り出した「社会性・理念・道徳・常識」に沿うことが「善行・正しい・良い」と考え決め付けることも本来おかしな話である。その為にも衰退したニャーヤ学派の論理性を学び、「社会性」や「単純な結果論としての善悪観念」に支配されずに、論理から答を見出す力を身につけることが基本であると言わねばならない。

カルマ・パダールタ:
バイシェーシカ(ヴァイセーシカ)学派の「6原質(7原質)」のひとつ「行為原質」。一般には、「パダールタ」は、漢訳で「句義」、邦訳で「原理」とされるが、バイシェーシカ学派では、現実世界・の構成要素として「パダールタ」を(後世の原子論のように)説く現象論で述べている。この理論は、一部のアーユル・ヴェーダにも取り入れられているが、そこでは「原子論的な解釈」ではなく、「関係論」として説かれている。ちなみに「6原質/7原質」となるのは、7番目が「非実体」であり、「現象論に含まれない」と解釈する派もあるから。しかし、ニャーヤ学派、及びこのバイシェーシカ学派は、きわめて論理性が高い検証と説法を行った。故に「万物の『今の実体』『過去の実体』『未来の実体』『逆の実体』」という基本四検証の他に「それが無いという実体」も加えるのは必然的でもある。

カルマ・ヨーガ:
ヨガと言えばBody-Yogaの時代だが、本来は、Karma論に於ける「Prabdha-Karma」即ち、前世で積み上げられたカルマが既に現世を支配し始めている「業」。及び「Agami-Karma」即ち、これから積み重ねられる、来世の為の「業」について、最善の行為「行(これも或る種の業だが)」もしくは「業道(業の行くべき道)」の「教え・探求・理解・実践」が「Yoga」である。

しかし現代社会に散見するものの多くは、「解脱の目的」に偏ったものは、厭世観・閉塞感を喜ばせることに終わってしまい。或る者は「ハタ・ヨーガ」の超能力に憧れ、劣等感からの開放を目指し、或る者は、「バクティー・ヨーガ」や「マントラ・ヨーガ」でひたすら祈願し、と、何故か分裂している。そのことの改善のために、ヴィヴェカナンダは、総合的なヨガとして「ラージャ・ヨーガ」を提唱したが、ここにも謎があり、何故か「カルマ・ヨーガ」と「ニヤーヤ学派」を組み入れず、後者に関しては極めて近似の関係にあるサーンキヤ系のジュニャーナ・ヨガを組み入れた。ヴィヴェカナンダの論理からすれば極めて疑問である。当時の関連団体の政治力・人脈・人間関係や恣意・作為が関わったと思えてならない。

「カルマ・ヨガ」は、前述したように、「行動・行為→行・業」として道に入るものだが、その前に、ニヤーヤ、サーンキヤの論理を学ばなければ、「前世の業」と「現世の外因」に支配されたままの「行為」で、道を誤らないと言えるのだろうか。現代のような時代こそ(或る意味ヴィヴェカナンダがラージャヨガを提唱した時代に似ている)、新たな「総合的なヨガ」を「論理思考によるヨガ」の基礎の上に構築する動きが現れて欲しいものだ。そもそも「Karma-Yoga」に本来あった筈の「行動の前の思考」が何故、ないがしろにされたのか。そこから再考せねばならない。

カルパ:
ヴェーダ副読本(ヴェーダーンガ)のひとつで、儀礼に関する記述。

カルタヴィヤ:
義務

カーニャ:乙女座。

カパ:
「Tri-Dosha」のひとつ。五大元素の水と地に関わることから、生命体に「定着・結合・融合」の力を与えるエネルギー。

カーイ・インドリヤ:
6種の知覚「ギャーナ・インドリア」のひとつの「触覚(皮膚感覚)」

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(文章:若林 忠宏

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