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ムドラー

シューンニャ・ムドラー

万物を構成する5大元素からなると考えられる私たちの身体は、その不均衡によってさまざまな不調を経験します。
時に感じる痺れや疼き、めまいやふらつき、また、耳鳴りといった不調は、日々において特に悩ましく感じるものです。
これらは、5大元素における空の要素の不均衡によるものと考えられてきました。

ヨーガには、こうした不調に向き合うためのある実践があります。
それは、シューンニャ・ムドラーと呼ばれます。

シューンニャには、「空虚」、「虚無」といった意味があります。
ムドラーは、5大元素の象徴を持つ5本の指を用いて、ある意味を象徴的に形作る実践です。
私たちの5本の指には、親指が火、人差し指が風、中指が空、薬指が地、小指が水というように、5大元素の象徴があるとされてきました。
このシューンニャ・ムドラーは、空の要素を持つ中指と、火の要素を持つ親指を用いて行われます。

まず、中指の先端が親指のつけ根に触れるように第2関節を曲げます。
そして、曲げた中指の背を親指で軽く抑えます。
残りの3本の指はまっすぐに伸ばしておきます。
この手の形がシューンニャ・ムドラーです。
このムドラーの実践により、身体の中で過剰になった空の要素が抑えられると伝えられます。

5大元素における空の要素は、私たちの身体の5つの感覚器官における耳に関連すると伝えられてきました。
それ故、めまいやふらつき、耳鳴りといった耳に関する不調は、この空の要素の不均衡によるものと考えられています。
このシューンニャ・ムドラーの実践により、空の要素に均衡がもたらされることで、私たちの心身にも調和が訪れると伝えられます。

すると、私たちはある音を聞くことができるようになるといわれます。
それは、天国の音といわれます。
シューンニャには天国という意味もあるように、このムドラーは天国のムドラーとも呼ばれています。

古来より、心身に浄化をもたらすヨーガの行いを真摯に続けることで、身体の中で発せられる原初音ともとれる美妙な音を聞くことができるようになると伝えられてきました。
その音は、胸の中心にあるアナーハタ・チャクラから発せられていると伝えられます。
そして、その音に心を定め、決して離れることなく瞑想に努めれば、やがて心は音の中に消滅していくと信じられます。
それは、至高の存在との一体を意味します。

ヨーガの実践は、健やかな心身を生み出すとともに、私たちをより崇高な場所へと導く力を秘めています。
与えられた心身において、こうした価値ある叡智を実践し、真に豊かな日々を過ごしながら、究極の目的に向けて前進していきたいと感じます。

(文章:ひるま)

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