ルドラとしてのシヴァ神を讃えるマントラを通じた、困難を超越するためのマントラ・サーダナをご紹介いたします。
「ルドラ」は、本質的な意味として、「困難を超越する」と解されます。
ルドラは、シヴァ(吉兆)の怒りの側面を表した神格として知られています。
ルドラは、文字通りの意味としては、「恐ろしいもの」「恐怖のもの」「暴風神」などが挙げられますが、この文字が、「ル」と「ドラ」に分割される場合、「悲哀からの脱却」「悲しみからの解放」「困難を超越した状態」を意味する言葉となります。
これらはすべてルドラ・シヴァの本質であり、サマーディすなわちサダーシヴァと呼ばれる無の境地を示し、心の束縛から解放され、かつてない吉兆(シヴァ)と光輝をもたらすものです。
・ॐ नमो भगवते रुद्राय
・om namo bhagavate rudrāya
・オーム ナモー バガヴァテー ルドラーヤ
このルドラ・シヴァのエネルギーは、アグニ(火)のエネルギーと同質と考えられています。
ルドラすなわちアグニは、地上における物質的生活を破壊し、再建する神です。
彼は本性として怒りの性質を持ち、私たちの中で、火の属性すなわち怒りとして表現されます。
過度の怒りは、病気の元となり、肉体や心を傷つけます。
しかし、自己の肉体を維持し、社会生活向上の手段として、怒りは時として必要不可欠な性質です。
このマントラは、毎日11回唱えることで、病を払拭し、健康な身体を手にすることができると信じられます。
マントラの詠唱は、シヴァ神を礼拝する吉日である月曜日、プラドーシャ、シヴァラートリなどに開始することが勧められます。
16日間で125000回を唱え終えると、このマントラのシッディを得ることができるとも伝えられます。
健康のために唱えられることが多いこのマントラは、心願成就のために唱えることもでき、マントラ・サーダナを成功させるための可能性を高めると信じられます。
この旋律は、神々と自然のすべての要素を歓ばせるといわれます。
怒りをなだめ、心に平安をもたらし、困難を脱却した光輝の状態へと導かれるでしょう。
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