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雑記帳

祈りの夜

少し肌寒く、リシケシでは遅くに雨も降り出す空模様だった先日のシヴァラートリ。早朝のリシケシは山からの突風が吹きぬけ、まだまだ凍えるように寒い中、多くの人々がガンジス川で沐浴をしていました。シヴァ神が祀られている寺院やシヴァリンガなど、この大切な夜に備えて色とりどりに飾りつけが行われ、いつも以上の華やかさへと姿を変えた街。そして日が暮れ、そんな街のあちらこちらでシヴァ神に祈りを捧げるバジャン(讃歌)が始まりました。
この夜、多くのアシュラムや寺院では夜を徹してシヴァ神への祈りが行われます。そして人々は夜になるとこぞって寺院などへ赴き、祈りを捧げます。マントラを唱えたり、静かに瞑想を続けたりする人々がいる一方で、さまざまな場所でダンスが繰り広げられ、賑やかで楽しい夜でもありました。
また、シヴァラートリの日は、多くの人々が断食に入ります。全く何も口にしない人、穀物だけを食べない人、果物だけを摂る人など、人によって違いはありますが、たいていの人は日中断食をし、日が暮れた後に皆で集まって食事をします。シヴァラートリの日は妻であるパールヴァティーの日でもあり、夫を持つ女性は家庭円満のために、未婚の女性は将来の夫のために断食を行うとも言われています。私の友人も、その一人でした。
私はこの日、アシュラムのプージャ(祈りの儀式)に参加した後、とても大きなお祭りが行われているリシケシの街へと友人と共に出かけました。お祭りの場はまさに黒山の人だかり。インドの軽食やスナックの屋台が立ち並び、そこらじゅうでダンスが繰り広げられ、子どもも大人も我を忘れたようにはしゃぐ姿には、いつもの事ながら微笑んでしまいます
雨が降り出したこともあり友人宅へと戻るも、バジャンは鳴り止みません。いつもならテレビを観たり、他愛のない会話であっという間に過ぎていく夜の時間。周りからバジャンや人々の歓声が聞こえるなか、その夜は皆で静かに過ごしました。シヴァ神がダンスをし、宇宙を創造したとも言われる日、この特別な夜だけは、テレビを消してシヴァ神に祈りを捧げると、友人は言いました。
インドの人々の胸にはいつも神様がいます。それでもこうして、神様だけを想う夜があります。そして何より、こうして家族や親戚が集まる時間がたびたびあること。日本にはない豊かさが、ここにはたくさん残っています。
シヴァラートリを終えれば、待ちに待ったホーリーです。次の日の朝、街の至る所で夜通しのお祈りが行われていた跡が残る中、19日のホーリーに向けてのかがり火の準備もしっかりと行われていました。何と気が早いインドの人々。ホーリーまでもう少し、私も待ち切れません。
(文章:ひるま)

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