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雑記帳

サラスワティー女神とヴァダバーグニ

草木が芽吹き、やわらかな光が満ちていく春の訪れは、インドではヴァサンタ・パンチャミーとして、サラスワティー女神の降誕祭が祝福される時です。
サラスワティー女神は、古来より、学問や芸術の女神として広く崇められてきました。
私たちの心の闇を追い払い、透き通った知性を授けてくれると信じられる女神です。

サラスワティー女神は、もともとは川の神格であり、あらゆるものを清める優美な水の流れとして崇められます。
物理的な汚れを洗い流す水は、穢れを祓う力として、世界の各地で神聖視され、信仰の対象になってきました。
そんな力の象徴であるサラスワティー女神への礼拝によって、私たちの意識は明瞭となり、真実を見る力が育まれると信じられます。

サラスワティー女神の力は、ある言い伝えを通じても学ぶことができます。
それは、ブリグ一族のアウルヴァ仙にまつわる神話です。
一族の命を無慈悲に奪われたアウルヴァ仙は、その怒りをエネルギーに変え、厳しい苦行を行いました。
その苦行からは、ヴァダバーグニと呼ばれる、世界を焼き尽くすほどの熱が生まれてしまいます。

神々は、ヴァダバーグニから世界を守るために、その熱を鎮める必要がありました。
そして、その熱を大海へと導き鎮めることができたのが、唯一、サラスワティー女神であったと伝えられます。
一説に、ヴァダバーグニは今でも海底に留まり、人間が分別や清らかな心を失うと、再び姿を現し世界を破壊すると伝えられます。

私たちは、アウルヴァ仙のように、負の感情に操られ、真実を見失うことが少なくありません。
それは、時に自分自身を破壊してしまうほどのエネルギーに成り変わることがあります。
そんな私たちは、サラスワティー女神への礼拝を通じて真実を見る力を育み、エネルギーの使い方を学ぶ必要があります。

光が溢れていく明るい春は、サラスワティー女神の力が満ちるこの上ない吉祥の時です。
ヴァダバーグニが再び姿を現すことがないように、私たちはその清らかな力につながり、純粋なエネルギーで自分自身を満たすことを努めなければなりません。
そうすれば、私たちは常に正しい道に導かれ、世界には明るい平和が広まるはずです。
春の陽光とともに、皆様にもサラスワティー女神の大きな恩寵がありますように、心よりお祈り申し上げます。

(文章:ひるま)

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