シヴァリンガムは、ヒンドゥー教においてもっとも広く信仰される聖なる形のひとつです。全身のプラーナとその流れを増大させ、生命力を漲らせる強い力があると信じられ、健康と幸福のためにシヴァリンガムを崇める人々が多くいます。
男根(リンガム)と女陰(ヨーニ)からなるシヴァリンガムは、男性性と女性性のエネルギーの統合、そしてその相対性の調和を秘めています。 リンガムには、シンボル、しるし、象徴、姿という意味があり、シヴァ神の吉兆な印であることがわかります。古代から現代に至るまで、シヴァリンガムは人々の信仰の中心にあり続けています。
さまざまな形や材質が存在するシヴァリンガムの中でも、主要な聖地のひとつであり、インド中部を流れる聖河ナルマダー川で採集されるシヴァリンガムは、もっとも神聖な波動を持つシヴァリンガムとして崇められます。この地域に住む人々によって採集された石は、滑らかな丸い形になるまで磨かれます。黄褐色、茶色、赤色、灰色、縞模様、まだら模様、水玉模様など、ナルマダー・シヴァリンガムはさまざまな色や模様を持ち、石にあらわれた模様には、大いなる存在を見ることができます。ナルマダー・シヴァリンガムは、自分自身の本質とつながる場所である頭頂のチャクラとの直接的な繋がりを促すとも信じられています。
その形に特別な意味があるシヴァリンガムは、自然に生じたものもありますが、人の手で石を磨き形作られたものが一般的です。宇宙創造の源である卵形をしたリンガムもあります。神聖な一つの形の中に男性性と女性性の結合が秘められたシヴァリンガムは、あらゆる創造の源であることがわかります。ヒンドゥー教の寺院には、自然にこの形を成した神妙なシヴァリンガムが祀られていることも多く、帰依者にとって特に聖なるものとして崇められています。
ナルマダー・シヴァリンガムは隠微晶質石英でできており、さまざまな物質を含みながらその形を形成しますが、手に入れるのは難しいことではありまあせん。それでもこの石がこれほどの強力なエネルギーを持つのは、聖なる形を通じ、時を超えて崇拝されてきたという事実があるからでしょう。
今月26日(日)は、シヴァリンガムを礼拝するのに相応しい、毎月訪れるシヴァラートリの吉日となります。シヴァリンガムを瞑想し、その聖なる形の意義を真に理解することは、宇宙の根本原理を悟り、ヨーガの究極の目的であるブラフマンとの合一を実現することに他なりません。
(SitaRama)
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