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雑記帳

カーリー女神の愛

チャイトラ月(3月~4月)の新月の翌日より始まる春のナヴァラートリは、9日間に渡って女神たちが盛大に祝福されます。中でもとりわけ重要視されるのが、8日目となるアシュタミーです。満月、新月からそれぞれ8日目を意味するアシュタミーは、ナヴァラートリの間だけでなく、ドゥルガー女神を礼拝する毎月の吉日として、広く礼拝が行われています。

ナヴァラートリにおけるアシュタミーは、カンニャ・プージャー(カンジャクとも)を行う日でもあります。カンニャ・プージャーでは、純粋な女神のエネルギーを象徴する幼い女の子たちを9人招き、家庭においてプージャーを行い、食事を振る舞うことで女神を礼拝します。

アシュタミーがこれほど重要視されるのは、9日間に渡る凶悪な力との戦いの中で、ドゥルガー女神の額からカーリー女神が生まれた時とされるためです。暗黒の女神と称され、悪魔ラクタヴィージャの滴り落ちる血を吸う真っ赤な舌とともに描かれるカーリー女神。その腰には、切り落とされた無数の人間の腕が、まるでスカートのように巻きつけられています。

腕は、私たちにとって行為を生み出す主要な手段の一つです。カーリー女神は、私たちのあらゆる行為を切り落とし、自らの体に身につけるのだといいます。良い行為も、悪い行為も、カーリー女神は全てを受け入れ、最後には私たちをカルマから解放していきます。

それはまた、私たちが持つ肉体への執着を断ち切り、肉体の中でもがき苦しむ魂を解放することを象徴しているともいわれます。カーリーは、「時間」や「黒色」を意味するカーラの女性形です。物質である肉体を持って生じた私たちは、始まりがあり終わりがある時間の中で、常に不安と恐怖に苛まれています。カーリー女神は、そんな私たちの恐れを取り払い、大きな愛の中に包み込みます。

マー(母)として、多くの人々に慕われるカーリー女神は、その恐ろしい様相とは反対に、偉大な愛をその内に秘めています。女神に近づくもっとも吉兆なナヴァラートリを通じ、カーリー女神の愛に気づく行いを努めたいと感じています。皆様もどうぞ、実りあるナヴァラートリをお過ごしください。

(文章:ひるま)

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