太陽と深い繋がりを持つ猿神ハヌマーン。まずはそのハヌマーンという名前に、太陽との繋がりが始まります。
好奇心が旺盛なハヌマーンは、子どもの頃、空に真っ赤に輝く太陽を果物だと思い食べようと、太陽に飛びつきます。そして太陽を飲み込もうとした時、雷神インドラに顎を雷で打たれてしまいます。ハヌマーンのハヌは顎を意味し、その名前はここに由来があると広く伝えられています。
しばらく経った後、母親アンジャナーはハヌマーンに教育が必要であると考えます。光として、知識の象徴である太陽神に学ぶようアンジャナーは勧め、ハヌマーンも同意しました。ハヌマーンは太陽神に教育を懇願するも、太陽神は「私はとても忙しい。世界を照らすために常に動き続けなければならないから。」と、ハヌマーンの懇願を拒みます。
ハヌマーンは、「私があなたについていきます。」と食い下がらず、太陽神のもとで学び始めました。探究心が豊かで、驚異的にすべてを学びとったハヌマーンは、太陽神にグルダクシナー(謝礼)をしなければと考えます。しかし、太陽神はハヌマーンの熱心な学びに満足し、謝礼は要らないとその申し出を拒否します。
ハヌマーンは代わりに、動き続ける太陽神を礼拝し始めました。これが現代において広く実践される、体を大きく動かすヨーガの太陽礼拝の始まりであるとも言われています。動き回ることが大好きで、落ち着きがないハヌマーン。そんな質すら、信心深い心によって神聖な力とへ変化し、現在では人々に強力な守りをもたらす存在として信望を集めます。
ハヌマーンのように、常に神々に近づきながら学びを深め、日々の行いを努めたいと感じています。そうして得られる力は、どんなものにも勝る強さになるに違いありません。皆様にも、ハヌマーン、そして太陽の大きなお恵みがありますよう、心よりお祈りしております。
(文章:ひるま)
※現代のヨーガで広く実践される太陽礼拝について、その生まれは教典などに記述されておらず、上記もハヌマーンと太陽神の関係になぞらえた一説の言い伝えにあたります。
参照:https://en.wikipedia.org/wiki/Hanuman
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