インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
सर्वकर्माणि मनसा
sarvakarmāṇi manasā
サルヴァカルマーニ マナサー
すべての行為を、意によって
sarva【中性】すべての、一切の、各々の;全体の
karmāṇi【中性・複数・対格 karman】[〜らに、〜らを]行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業
→sarvakarmāṇi【中性・複数・対格、同格限定複合語】[〜らに、〜らを]すべての行為、一切の業
manasā【中性・単数・具格 manas】[〜によって、〜をもって]心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
संन्यस्यास्ते सुखं वशी ।
saṁnyasyāste sukhaṁ vaśī |
サンニャスヤーステー スカン ヴァシー
放擲して、支配者は安らかに坐す
saṁnyasya【絶対分詞 saṁ-ni√as】[〜して、〜してから]結合する;放置する;世事を捨てる、苦行者となる;放棄する;放擲する
āste【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √ās】[彼は〜、それは〜]坐す、座る;住む、止まる;住居を構える;休む、留まる、横たわる
sukham【副詞】幸福に、安楽に、快適に、容易に、苦もなく
vaśī【男性・単数・主格 vaśin】[〜は、〜が](属格)の支配者、主 【形容詞】支配する;喜んで〜をする、従順な;自己を抑制する
नवद्वारे पुरे देही
navadvāre pure dehī
ナヴァドヴァーレー プレー デーヒー
九門の城において、自我は
navadvāre【中性・単数・処格 navadvāra】九門、九孔(身体の) 【形容詞】九門を持つ
pure【中性・単数・処格 pura】[〜において、〜のなかで]城、要塞を設けた都市;町
dehī【男性・単数・主格 dehin】[〜は、〜が]生物;人間;(肉体をそなえた)精神、魂;個我、自我
नैव कुर्वन् न कारयन् ॥
naiva kurvan na kārayan ||
ナイヴァ クルヴァン ナ カーラヤン
何も行為せず、行為させず
na【否定辞】〜でない
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
kurvan【男性・単数・主格 kurvat(√kṛの現在分詞)】[〜している]為す、動作する;現在の、活動する
na【否定辞】〜でない
kārayan【男性・単数・主格・現在分詞・使役活用 √kṛ】[〜させている]為す、作る、遂行する、用いる
सर्वकर्माणि मनसा संन्यस्यास्ते सुखं वशी ।
नवद्वारे पुरे देही नैव कुर्वन्न कारयन् ॥१३॥
sarvakarmāṇi manasā saṁnyasyāste sukhaṁ vaśī |
navadvāre pure dehī naiva kurvanna kārayan ||13||
すべての行為を、意によって放擲して、支配者である自我は
九門の城において、安らかに坐す。何も行為せず、行為させず。
※九門の城とは、九つの孔(目、鼻、口、耳、生殖器官、排泄器官)を持つ人間の肉体のこと
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