インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
तद्बुद्धयस् तदात्मानस्
tadbuddhayas tadātmānas
タッドブッダヤス タダートマーナス
それ(ブラフマン)に心を向け、それ(ブラフマン)を本質とし
tadbuddhayas【男性・複数・主格、所有複合語 tad-buddhi】[〜らは、〜らが]それに心・理性を集中させる(者)
tadātmānas【男性・複数・主格、所有複合語 tad-ātmān】[〜らは、〜らが]それ・彼と同様の;その性質を有する(者)
तन्निष्ठास् तत्परायणाः ।
tanniṣṭhās tatparāyaṇāḥ |
タンニシュタース タットパラーヤナーハ
それ(ブラフマン)を拠り所とし、それ(ブラフマン)を究極の目的とする人々は
tanniṣṭhās【男性・複数・主格、所有複合語 tad-niṣṭha】[〜らは、〜らが]すべてそれに捧げた(者)
tatparāyaṇās【男性・複数・主格、所有複合語 tad-parāyaṇa】[〜らは、〜らが]それを(彼等の)最後の目的として有する(者)
गच्छन्त्यपुनरावृत्तिं
gacchantyapunarāvṛttiṁ
ガッチャンティヤプナラーヴリッティン
彼らは最後の解脱に赴く
gacchanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √gam】[彼らは〜、それらは〜]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;〜に近づく、〜に達する、〜を得る
apunar【副詞】一回のみ、今回限り
āvṛttim【女性・単数・対格 āvṛtti】入ること;帰来;反覆;日至(夏至および冬至);再生;行程、方向
→apunarāvṛttim【女性・単数・対格 apunarāvṛtti】[〜に、〜を](生存・輪廻よりの)最後の解脱
ज्ञाननिर्धूतकल्मषाः ॥
jñānanirdhūtakalmaṣāḥ ||
ジュニャーナニルドゥータカルマシャーハ
知識により罪過を滅却した人々は
jñāna【中性】知ること;知識;真の知識、優れた知識;知恵;企図;仮定;意識;感覚器官
nirdhūta【nir√dhūの過去受動分詞】振り回された;悩まされた;(―゜)を奪い去られた
kalmaṣās【中性・複数・主格 kalmaṣa】汚物;汚点;屑、廃物、沈殿物;道徳的汚点;犯罪、罪過;暗黒
→jñānanirdhūtakalmaṣās【男性・複数・主格、所有複合語】[〜らは、〜らが]知識によって罪過を払い去った(者)
तद्बुद्धयस्तदात्मानस्तन्निष्ठास्तत्परायणाः ।
गच्छन्त्यपुनरावृत्तिं ज्ञाननिर्धूतकल्मषाः ॥१७॥
tadbuddhayastadātmānastanniṣṭhāstatparāyaṇāḥ |
gacchantyapunarāvṛttiṁ jñānanirdhūtakalmaṣāḥ ||17||
それ(ブラフマン)に心を向け、それを自己の本質とし、
それを拠り所とし、それを究極の目的とする人々は、
知識により罪過を滅却して、最後の解脱に赴く。
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