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雑記帳

シャミーの木

美しい自然が見せる豊かな表情に神々の姿を重ねるインドの日常には、その調和の中で幸せな日々を過ごすための叡智が溢れています。
そんなインドの聖なる文化において、シャミーと呼ばれ崇められる木があります。
このシャミーの木は、私たちに多くの試練を与える惑星として畏怖される、土星のシャニ神に捧げられる木として古くから崇められてきました。

シャミーは、厳しい気候条件の中でも生育できる強い木として広く知られます。
豊かな土壌をもたらすことから、砂漠化を防ぐために植えられることがあり、防風林として役立てられることもあります。
その葉や木は飼料や燃料として用いられ、夏の暑い日には厳しい日差しを和らげる爽やかな日陰を与えてくれます。

そうして豊かな自然を織りなすシャミーの木は、黄色く可愛らしい花を咲かせます。
多くの薬効が伝わり、私たちの心身にもたくさんの恩寵を注いでくれる植物です。
その恩寵は、私たちの体と心を清め、あらゆる罪を浄化してくれるとも信じられています。
そうして崇められるシャミーの木には、さまざまな神話が伝えられてきました。

有名な神話は、叙事詩のマハーバーラタにも見られます。
その主役である5人兄弟のパーンダヴァは亡命中、所持していた武器をシャミーの木の下に隠しました。
時期が訪れ、戦いに赴くことになったパーンダヴァは、シャミーの木の下を掘り起こすと、武器はそこで大切に守られていたと伝えられます。
そして、パーンダヴァは戦いに打ち勝ちました。
それ以来、シャミーの木を礼拝する人々は勝利と繁栄に祝福されると信じられるようになったといわれます。

このシャミーには、努力、労働、労苦といった意味があります。
厳しい気候条件下において育ち、豊かな土壌をもたらすこの木には、困難を成長の糧にする逞しい力を見ることができます。
それは、暗闇を通して無限の輝きをもたらす、土星の恩恵にも似ているものです。

古くから、シャミーの木を通じてシャニ神に祈りを捧げると、あらゆる苦難が軽減されると信じられてきました。
逞しく生きるシャミーの木が、その姿を通じて、困難を生きる真の意味を私たちに気づかせてくれるからかもしれません。
そうして人生をひたむきに生きるとき、個の魂には何よりも大きな勝利が授けられるはずです。

(文章:ひるま)

※シャミーの木は、インドでも地域によって呼び名が異なる場合があります。

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