インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
यतो यतो निश्चरति
yato yato niścarati
ヤトー ヤトー ニシュチャラティ
どのような原因で出ても
yatas【副詞】それから、彼から、そこから、それを;そこに;そこへ;そういうわけで、そういう理由から;〜である以上、なんとなれば
→yatas yatas:いつ〜しようとも;どのような場所から〜しても、どのような原因で〜しても、
niścarati【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 niś√car】[彼は〜、それは〜]出る、現れる、進む
मनश्चञ्चलम् अस्थिरम् ।
manaścañcalam asthiram |
マナシュチャンチャラム アスティラム
動揺し、不安定な意(マナス)が
manas【中性・単数・主格 manas】[〜は、〜が]心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
cañcalam【中性・単数・主格 cañcala】あちこちに動く、動揺する、不安定になる、震える;軽薄な
asthiram【中性・単数・主格 asthira】堅固でない、永久的でない、一時的の;震える;定まらない、疑わしい
ततस्ततो नियम्यैतद्
tatastato niyamyaitad
タタスタトー ニヤミヤイタッド
そこから、これを統制して
tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
→tatas tatas:そこから、あちこちで、あちらこちらに、あらゆる面から、四方八方から、どこでも
niyamya【絶対分詞 ni√yam】[〜して、〜してから]留める;縛る;抑制する;引き締める;阻止する、支配する、制御する;制限する
etat【中性・単数・対格、指示代名詞 etad】[〜に、〜を]これ
आत्मन्य् एव वशं नयेत् ॥
ātmany eva vaśaṁ nayet ||
アートマニ エーヴァ ヴァシャン ナイェート
自己(アートマン)のなかで、支配に導くべきである
ātmani【男性・単数・処格 ātman】[〜において、〜のなかで]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
vaśam【男性・単数・対格 vaśa】[〜に、〜を]意志、願望、欲望;力、支配、権威、主権
nayet【三人称・単数・パラスマイパダ・願望法 √nī】[彼は〜だろう、彼は〜するべき]指導する、案内する;導く;連れ去る;結婚する;引きつける;置く
यतो यतो निश्चरति मनश्चञ्चलमस्थिरम् ।
ततस्ततो नियम्यैतदात्मन्येव वशं नयेत् ॥२६॥
yato yato niścarati manaścañcalamasthiram |
tatastato niyamyaitadātmanyeva vaśaṁ nayet ||26||
動揺し不安定な意(マナス)が、どのような原因で彷徨い出ようと、
これを統制して、アートマンの支配下に導くべきである。
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