インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
प्रशान्तमनसं ह्येनं
praśāntamanasaṁ hyenaṁ
プラシャーンタマナサン ヒェーナン
意(マナス)が静まった彼に
praśānta【pra√śamの過去受動分詞】静穏になった、平穏な;吉祥な;消滅した;除かれた;和らいだ、やんだ、終わった、消え失せた;休止した;死んだ
manasam【中性・単数・対格 manasa】心、内的器官、知性、理性、精神、良心、思考、意向、気分
→praśāntamanasam【男性・単数・対格、所有複合語】平穏な心を持った、心が静まった
hi【不変化辞】なぜならば、〜のために;真に、確かに、実に
enam【男性・単数・対格、指示代名詞enad(idam, etadの附帯形)】[〜に、〜を]これ、それ、彼
योगिनं सुखम् उत्तमम् ।
yoginaṁ sukham uttamam |
ヨーギナン スカム ウッタマム
ヨーガ行者に、最高の幸福が
yoginam【男性・単数・対格 yogin】[〜に、〜を]ヨーガ行者、修行者、実践者
sukham【中性・単数・主格 sukha】[〜は、〜が]安楽、歓喜、幸福、享楽、繁栄、成功
uttamam【中性・単数・主格 uttama】[最上級]最上の、至高の;最も優秀なる、最善の
उपैति शान्तरजसं
upaiti śāntarajasaṁ
ウパイティ シャーンタラジャサン
それは現れる、激質(ラジャス)が静まった(ヨーガ行者に)
upaiti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 upa√i】[彼は〜、それは〜]近づく;赴く;会う;(対格)の徒弟となる;得る、到達する;受ける、入る;企てる、専注する;懇願する;現れる;起こる
śānta【男性】なだめられた、平静にされた、静穏な、激情から自由な、静かな、動かない、おとなしい;柔弱な、従順な;吉兆の;消滅させられた;和らいだ、鎮まった、除かれた、やんだ、停止した;就寝した;死去した;死に絶えた
rajasam【男性・単数・対格 rajas】[〜に、〜を](精神を激昂または曇らせる性質)激情、動性(サットヴァ、ラジャス、タマスの三徳(グナ)のひとつ);空、空気、大気;水蒸気、霧、薄暗がり;耕された土壌、耕された畠;塵、塵の粒子;花粉;月経、経水
→śāntarajasam【男性・単数・対格、所有複合語】[〜に、〜を]激情が和らいだ、激質が鎮まった
ब्रह्मभूतम् अकल्मषम् ॥
brahmabhūtam akalmaṣam ||
ブラフマブータム アカルマシャム
ブラフマンに帰入し、汚れのない
brahmabhūtam【男性・単数・対格 brahmabhūta】ブラフマンとなる、ブラフマンに帰入する、ブラフマンと一体化する
akalmaṣam【男性・単数・対格 akalmaṣa】汚れのない、染みのない;欠点のない、非の打ち所のない、潔白な
प्रशान्तमनसं ह्येनं योगिनं सुखमुत्तमम् ।
उपैति शान्तरजसं ब्रह्मभूतमकल्मषम् ॥२७॥
praśāntamanasaṁ hyenaṁ yoginaṁ sukhamuttamam |
upaiti śāntarajasaṁ brahmabhūtamakalmaṣam ||27||
意(マナス)が静まり、激質(ラジャス)が消滅し、ブラフマンに帰入した
無垢なヨーガ行者に、最高の幸福が訪れる。
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