インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
यं लब्ध्वा चापरं लाभं
yaṁ labdhvā cāparaṁ lābhaṁ
ヤン ラブドヴァー チャーパラン ラーバン
それを得て、他の利得を
yam【男性・単数・対格、関係代名詞 yad】[〜に、〜を]〜であるもの、〜である人
labdhvā【絶対分詞 √labh】[〜して、〜してから]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
ca【接続詞】そして、また、〜と
aparam【男性・単数・対格 apara】後方の、遙かな;後の、次の;西方の;劣る;他の;卑しい;反対の;奇異の、異常の
lābham【男性・単数・対格 lābha】[〜に、〜を]発見、会合;〜の獲得、取得;所得、利得、利益;得られた物、獲得物;捕獲;理解、知識
मन्यते नाधिकं ततः ।
manyate nādhikaṁ tataḥ |
マンニャテー ナーディカン タタハ
優れたものと考えず、そこで
manyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 √man】[彼は〜、それは〜]考える、信じる、想像する
na【否定辞】〜でない
adhikam【男性・単数・対格 adhika】過剰の;余分の;卓越した;主なる、最高の;過分を有する、なお一層多い;〜において勝れた
tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
यस्मिन् स्थितो न दुःखेन
yasmin sthito na duḥkhena
ヤスミン スティトー ナ ドゥフケーナ
安住する人は、苦しみによって、ない
yasmin【男性・単数・処格、関係代名詞 yad】[〜において、〜のなかで]〜であるもの、〜である人
sthitas【男性・単数・主格 sthita】立っている、立ち上がっている;〜に留まる・残る・位置している;〜に従事した・熱中した・耽った・献身した・実践する・に屈しない;着実な、守られた;定着した
na【否定辞】〜でない
duḥkhena【中性・単数・具格 duḥkha】[〜によって、〜をもって]不安、心配、苦痛、悲しみ、悲哀、困難、苦しみ
गुरुणापि विचाल्यते ॥
guruṇāpi vicālyate ||
グルナーピ ヴィチャーリャテー
大きな、動揺させられ(ない)
guruṇā【中性・単数・具格 guru】重い;(従格)より重い;胃に重い、消化しがたい;大なる、広大な;激烈な、峻厳な、厳酷な;困難な、退屈させる、重苦しい;重大な、重要な、大切な;尊敬すべき;(音律上)長い(音節)
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
vicālyate【三人称・単数・現在・使役・受動活用 vi√cal】[彼は〜させる、それは〜させる]動揺させる;乱す、苦しませる;破壊する;(法を)犯す;疑う;廃止する
यं लब्ध्वा चापरं लाभं मन्यते नाधिकं ततः ।
यस्मिन्स्थितो न दुःखेन गुरुणापि विचाल्यते ॥२२॥
yaṁ labdhvā cāparaṁ lābhaṁ manyate nādhikaṁ tataḥ |
yasminsthito na duḥkhena guruṇāpi vicālyate ||22||
それを得れば、他の利得を劣るものと考え、
そこに安住する人は、大きな苦しみによっても、動揺させられない。
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