2023年9月10日はエーカーダシーの吉日です。
月の満ち欠けのそれぞれ11日目に訪れるエーカーダシーは、ヴィシュヌ神に捧げられる日となり、断食や瞑想を行うことが勧められます。
このエーカーダシーは、アジャー・エーカーダシーといわれます。
アジャー・エーカーダシーは、バードラパダ月(8月〜9月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の11日目にあたり、過去の罪からの解放がもたらされると伝えられる吉日です。
一説に、以下のような神話が伝わります。
かつて、とても敬虔で誠実なハリシュチャンドラという名前の王が暮らしていました。
ハリシュチャンドラ王には、チャンドラマティーという妻と、ローヒターシュヴァという息子がいました。
しかし、運命の力によってハリシュチャンドラは偉大な王国を失い、妻と息子を手放さなければならなくなります。
敬虔なハリシュチャンドラ自身も、火葬場の守衛をさせられるようになりました。
そのような状態で何年も過ごすも、ハリシュチャンドラは誠実さと善良な性格を失わずに、この窮状から救われる方法を思い巡らします。
ある日、偉大な聖仙であるガウタマ仙が通りかかります。
ハリシュチャンドラはガウタマ仙に敬意を示すとともに自らの哀れな物語を語り始めます。
ガウタマ仙は、ハリシュチャンドラの悲惨な話を聞いて心を痛め、苦難を生み出す原因となっている無意識に犯してしまった罪を清めるための断食を指導しました。
ガウタマ仙は、バードラパダ月(8月〜9月)のクリシュナ・パクシャ(満月から新月へ向かう半月)の11日目に、あらゆる罪を取り除く恩寵がある、アジャー(アーンナダ)というエーカーダシーがあることを伝えます。
アジャーには、太陽や火の神でありカルマを焼き尽くすアグニの意味があります。
この日に断食をし、睡眠を絶って祈りを捧げれば、過去の罪は清められ苦難は終わることを告げました
そして、ガウタマ仙の指示に従いアジャー・エーカーダシーの断食を行うと、ハリシュチャンドラの過去の罪から生じていた苦難はただちに終わりを迎えたといわれます。
このエーカーダシーの力によって、ハリシュチャンドラは失った妻と息子に再会し、難なく王国を取り戻しました。
さらに、ハリシュチャンドラ王がこの地を去ったとき、すべての親類と臣下も一緒に霊界へ行ったと伝えられます。
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