インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
न च मत्स्थानि भूतानि
na ca matsthāni bhūtāni
ナ チャ マツスターニ ブーターニ
しかも、万物は私の中に存在しない
na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
mat【一人称・単数、人称代名詞 mad】私
sthāni【中性・複数・主格 stha】立っている、存在している、ある;に専念した、に従事した、〜を実践する
→matsthāni【中性・複数・対格】私に存在している
bhūtāni【中性・複数・対格 bhūta】[〜らに、〜らを]存在物[神・人・動物および植物を含む];被創造物;万物;世界
पश्य मे योगम् ऐश्वरम् ।
paśya me yogam aiśvaram |
パッシャ メー ヨーガム アイシュヴァラム
私の神的なヨーガを見よ
paśyati【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 √paś】[あなたは〜せよ]見る;眺める;観察する、注意する;凝視する、傍観する;経験する、獲得する;見出す;考察する、思量する;心眼で見る、発見する;予知する、予見する
me【単数・属格、一人称代名詞 mad(mamaの附帯形)】[〜の、〜にとって]私
yogam【男性・単数・対格 yoga】[〜に、〜を]ヨーガ、精神の集中、組織的な超脱法、瞑想、静慮、心統一
aiśvaram【男性・単数・対格 aiśvara】王に相応しい、威厳のある;シヴァ神に関する
भूतभृन् न च भूतस्थो
bhūtabhṛn na ca bhūtastho
ブータブリン ナ チャ ブータストー
万物を支え、しかし万物の中に存在しない
bhūtabhṛt【男性・単数・主格 bhūtabhṛt】創造物・元素を支える
na【否定辞】〜でない
ca【接続詞】そして、また、〜と
bhūtasthas【男性・単数・主格 bhūtastha】創造物・元素中に存在する、実体中に住する
ममात्मा भूतभावनः ॥
mamātmā bhūtabhāvanaḥ ||
ママートマー ブータバーヴァナハ
私の本体は、万物を創造する
mama【単数・属格、一人称代名詞 mad】[〜の、〜にとって]私
ātmā【男性・単数・主格 ātman】[〜は、〜が]気息;霊魂;生命、自身;本質、本性;特色;身体;知性、悟性;我、最高我
bhūtabhāvanas【男性・単数・主格 bhūtabhāvana】生物の安寧をつくる・もたらす、ヴィシュヌ神・シヴァ神・ブラフマー神の名称
न च मत्स्थानि भूतानि पश्य मे योगमैश्वरम् ।
भूतभृन् न च भूतस्थो ममात्मा भूतभावनः ॥५॥
na ca matsthāni bhūtāni paśya me yogamaiśvaram |
bhūtabhṛn na ca bhūtastho mamātmā bhūtabhāvanaḥ ||5||
しかも、万物は私の中に存在しない。私の神的なヨーガを見なさい。
私の本体は、万物を創造し、維持するが、万物の中には存在しない。
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