インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターのサンスクリット原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。
आयुधानाम् अहं वज्रं
āyudhānām ahaṁ vajraṁ
アーユダーナーム アハン ヴァジュラン
私は武器における金剛杵である
āyudhānām【中性・複数・属格 āyudha】[~らの、~らにとって]武器、道具
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】[~は、~が]私
vajram【中性・単数・主格 vajra】[~は、~が]雷電、とくにインドラ神の雷電または金剛杵[時として他の神々のものをも称する;また神話的武器、破壊的呪文等に適用される];金剛石
धेनूनाम् अस्मि कामधुक् ।
dhenūnām asmi kāmadhuk |
デーヌーナーム アスミ カーマドゥク
私は牝牛における如意牛である
dhenūnām【女性・複数・属格 dhenu】[~らの、~らにとって]乳牛、牝牛;(―゜)(動物の名とともに)雌;(婆羅門に対する)牝牛の代用をなす供物;[比喩的に]地; 【複数形】乳 【形容詞】乳を生ずる
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
kāmadhuk【女性・単数・主格 kāmadhuk(=kāmadugha)】[~は、~が]すべての欲望を叶える牝牛、如意牛
प्रजनश्चास्मि कन्दर्पः
prajanaścāsmi kandarpaḥ
プラジャナシュチャースミ カンダルパハ
そして、私は生殖者におけるカーマ神である
prajanas【男性・単数・主格 prajana】[~は、~が]生殖、受胎;出生、分娩;生まれさせるもの、生殖者
ca【接続詞】そして、また、~と
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
kandarpas【男性・単数・主格 kandarpa】[~は、~が]カーマ神;愛
सर्पाणाम् अस्मि वासुकिः ॥
sarpāṇām asmi vāsukiḥ ||
サルパーナーム アスミ ヴァースキヒ
私は蛇におけるヴァースキである
sarpāṇām【男性・複数・属格 sarpa】[~らの、~らにとって]蛇 【複数形】ある半身族(地上、空中、天および地獄に住む) 【形容詞】這う、爬行する
asmi【一人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[私は~]ある、存在する、実在する
vāsukis【男性・単数・主格 vāsuki】[~は、~が]ヴァースキ;[ある神仙の名];[竜王の名(八大竜王の一)];[人名]
आयुधानामहं वज्रं धेनूनामस्मि कामधुक् ।
प्रजनश्चास्मि कन्दर्पः सर्पाणामस्मि वासुकिः ॥२८॥
āyudhānāmahaṁ vajraṁ dhenūnāmasmi kāmadhuk |
prajanaścāsmi kandarpaḥ sarpāṇāmasmi vāsukiḥ ||28||
私は武器における金剛杵、牝牛における如意牛、
そして生殖者におけるカーマ神、蛇におけるヴァースキである。
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