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インド音楽

音と色のタントラの科学

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古代インドの科学音楽の7音は、ヨーガが説く「七つの基本チャクラ」と符合しています。そして、チャクラが彩り豊かな蓮花で描かれるのと同じように、音楽の7音も、色との関連が説かれています。やはりこれも大きな基本が共通しているからに他なりません。それこそが、崇高で高度な理論(科学)である「タントラ」なのです。

科学音楽も、ヨーガも、もちろんアーユルヴェーダも、共通の「タントラ」を基にして発展し、その「タントラ」を、目には見えないけれど体に感じる、音、振動などで具現する「マントラ」、目に見える形や図柄や色で具現する「ヤントラ」を作り出しているわけですから、当然共通性は高いのです。アーユルヴェーダにおいては、薬草の色や味も、マントラ、ヤントラに匹敵する第四、第五の具現であったかもしれません。

しかし、私たちがこれを理解するためには、私たちが日常なにげに行っている「直接(実感)的な感覚、感性」と、「タントラ」が説く「形而上学的な感覚」「非直接(実感)的な効果」の根本的な違いを理解しなければなりません。それを分かり易く説明するには、アーユルヴェーダとも関連や類似が多い中医・漢方弁証論治と漢方薬や生薬、西洋生薬であるハーブの話しが役に立つと思われます。

例えば、漢方生薬の定番のひとつである「生姜(しょうきょう)」「乾姜(かんきょう)」などの生姜類の効果効能のひとつに「嘔吐止め」がありますが。これは、生姜の独特な味に人間が反応して、唾液が多く分泌され、連動して胃液、胆液が分泌され、胃腸の動きが活性化されるという仕組みですが、これは、生薬では比較的珍しい「直接(実感)的な薬効」の典型です。その他のほとんどの生薬やハーブの効果効能は、このような直接(実感)的なものではないのです。
例えば、循環器の働きを促す、「山査子、ホーソンベリー」などを舐めてみて、そのきな臭い味を満喫すれば「ああ、心臓が元気になってゆく」とは感じないはずです。同様に、フィトケミカル(植物性化学物質)で有名な「ケルセチン」の強烈な黄色を見たり、味見をしたところで「ああ、腸が元気になる!」とは実感できません。
言わば、私たちが実感できない世界、知らない世界で、生薬や味や色、そして音は、私たちの臓器や細胞、もちろん、チャクラやナーディ、そして、精神や心、魂に働きかけているわけです。

このように、「非直接(実感)的効果」は、確かに存在し、むしろこの方が、私たちが感覚、感性で自覚できることよりも、臓器や細胞に与える影響は圧倒的に多いはずです。逆に言うと、直接(実感)的効果の代表である「生姜」も、毎日たくさん摂っている人は「効きにくい」ということがありえます。
私たちは、日々生きて行く上で、自分の感覚、感性をあまりに過信し頼っていますが、それとは別なかたちで体や心に働きかけるものがあることを知る必要があるわけです。

もちろん、いくら私たちの感覚や感性がアテにならないものであるとしても、美味しく食べることや、楽しく聴くことは、消化やストレス緩和に役に立つことは言うまでもありません。つまり、「タントラ」の科学は、それをも見越してバランスを考えて具現し、私たちに与えてくれているのです。
例えばアーユルヴェーダの有名な生薬「Kalamegh(Andrographis/穿心蓮)」などは、単味でそのままでは、余程覚悟しないと飲めたものではありませんが、それを緩和させつつ、非直接(実感)的効能でも助けになる別の生薬を組み合わせたり、過度に胃液が分泌させることを防ぐ生薬を添加するなどの工夫をしてくれているわけです。

同様に、科学音楽の音も、同じ音ばかりが鳴り響いているわけではありません。逆に人間は、それに慣れてしまいますと、効果効能も薄れてしまいます。アーユルヴェーダや中医・漢方薬のように、様々な音をブレンドさせて、総合的に働きかける工夫を、数千年の経験から編み出しているのです。

このように、音も、色も、「赤を見ると興奮する」とか「緑や青は落ち着く」とか、「穏やかな気持ちになる音だ」などという「直接(実感)的な効果」ばかりでなく、「非直接(実感)的な効果」を、感じることは、難しくても考える必要があるわけです。

(文章:若林 忠宏)

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