あっという間に一年が過ぎ去ろうとしています。年々、時が経つのを早く感じるようになりました。人がそう感じる理由には、心拍数の関係、記憶量の関係、代謝量の関係など、さまざまな説があると伝えられています。その多くは、私たちの心と体のあり方に深く関係しています。
こうした興味深い説の中に、同じことの繰り返しが多くなるため、という説が伝えられます。社会生活を営む中で年を重ね、変化が少ない生活を送る時、脳は同じ情報を繰り返し受け取ります。新しい情報の処理には時間がかかる一方で、繰り返しの情報は容易に処理されるため、同じ長さの時間でも、より短く感じるのだといわれます。
私たちは、どこかで変化を恐れる心を持っています。そうした心理は、 現状維持バイアスともいわれ、同じものを食べ、同じ道を歩き、同じ人と過ごす日々の中で、リスクを回避し、自分を安全に守ろうとする瞬間が実際に多くあります。何かを失うことを恐れたり、新しい何かを不安に思ったり、現状に問題があっても、なかなか変化を起こせないことが少なくありません。
そうした変化を受け入れることは、霊性修行の一つとして、幾度となく教えられることがありました。季節が巡り、体が老いるように、この世界では、一瞬たりとも同じである物事はありません。変化を受け入れることは、それを見つめる真の自分に気づくことに他なく、そこで私たちは、不変の喜びを知ることが可能となります。
時が経つのが早いと感じる瞬間があれば、新しい何かに挑戦することを試みてみるのも良いかもしれません。それは、手放すこと、そして、大いなる存在に身を委ねるという、何よりもの霊性修行となるはずです。そうして変化を受け入れ、どんな状況や環境でも喜んで生きる時、人生はより豊かに彩られるに違いありません。
新しい年を迎える前に、新しい挑戦への目標を立てたいと感じています。皆様の来たる年が、新しい光に満ち、健やかで幸多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
(文章:ひるま)
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