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アーサナ

マカラのアーサナ

太古の昔から、万物の穢れを取り去る浄めとして崇められてきたガンジス河。
人々の複雑な思いを静かに受け入れ、浄化するその大河は、マカラという怪魚に乗る女神、ガンガーとして現代でも広く尊ばれています。
ヨーガには、そんな聖なるガンガー女神を乗せる、マカラの姿を真似るポーズの実践があります。

マカラ・アーサナと呼ばれるそのポーズは、ヨーガの聖典のひとつであるゲーランダ・サンヒターにおいて、次のように説かれます。

「顔を下に向け、胸を床につけて臥す。両脚は地上に伸ばしておく。両腕を組んで頭を抱える。
このマカラの体位は身火(消化力)を増大する。」
ゲーランダ・サンヒター第2章39節(佐保田鶴治、「続・ヨーガ根本経典」、平河出版社)

このマカラのポーズは、ポーズとポーズの間に実践されるリラックスのためのポーズでもあります。
腕を上げてうつ伏せで寝ることにより、自然と複式呼吸が促進されると考えられてきました。
リラックスのポーズの中でも、特に呼吸法に恩恵があると伝えられるポーズです。
ゲーランダ・サンヒターで説かれる身火は、一説に、この呼吸法により発生する熱と捉えられてきました。

呼吸法はプラーナーヤーマと呼ばれ、それは生命エネルギーの調節とも捉えられます。
その呼吸法に取り組むと、過去の経験によって築き上げられた潜在意識が浮かび上がることに気づく瞬間があります。
それ故、呼吸法は自分自身の内で習慣化した思考や行動に気づき、より良い変化を生み出すための方法としても実践されてきました。

呼吸法に恩恵があるこのマカラのポーズは、腹部が押されることにより、スヴァーディシュターナ・チャクラが活性化するとされるポーズでもあります。
スヴァーディシュターナ・チャクラは水の要素を持ち、「自らが宿る場所」という意味を持ちます。
水があらゆる生命の源であるように、自分自身のすべてが眠っていると伝えられる場所です。

万物を清めるガンガー女神を運ぶマカラは、水を操る力を持つと信じられます。
黙々と流れるガンジス河の流れを見て心が洗われるように、マカラのポーズの実践を通じては、より深い意識に繋がる中で自分自身を浄化し、変容を促すことが可能になります。

ヨーガの実践は、ポーズを習得することが目的ではなく、その過程において自分自身を見つめ、より良い変化を生み出すことに重要な目的があります。
リラックスのポーズとして容易に実践できるこのマカラのポーズは、日々の取り組みを通じて、澄んだ美しい人生を歩むための導きを与えてくれるはずです。

(文章:ひるま)

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