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雑記帳

シヴァ神とアンダカ

シヴァ神にまつわる数ある神話の中に、息子のアンダカと戦いを繰り広げる神話があります。
アンダカは、シヴァ神とパールヴァティー女神の3番目の息子として伝えられる存在です。

ある時、妻であるパールヴァティー女神が遊び心でシヴァ神の両目を手で覆ったことがありました。
これにより、世界は暗闇に覆われます。
すると、シヴァ神の第3の目が開き、その熱によってパールヴァティー女神の手の平から汗がこぼれ落ちました。
そして、その汗から盲目のアンダカが生まれます。

アンダカは、息子を得ようとシヴァ神への苦行を行っていたアスラ族のヒラニヤークシャに預けられ、育てられるようになります。
その後、アンダカも苦行を行い、母親に欲望を抱いた時を除いて、殺されることはないという力を手にしました。

その力を拠り所として世界を征服するようになったアンダカは、唯一手にしていない美しい妻を欲するようになります。
そして、もっとも美しいと称されたパールヴァティー女神の存在を耳にすると、アンダカはパールヴァティー女神に欲望を抱き始めました。
アンダカは、パールヴァティー女神が自分の母親だと気づくことはありませんでした。
そして、アンダカはシヴァ神と争いになり、シヴァ神が手にするトリシューラによって倒されたと伝えられます。

このシヴァ神とアンダカの神話は聖典によって異なり、さまざまな解釈があります。
しかし、その多くはアンダカが暗闇から生まれ、母親であるパールヴァティー女神に欲望を抱いたことを伝えています。
暗闇の中で生まれたアンダカは、母親と妻を区別することができませんでした。
そうして倒されたアンダカの姿は、暗闇の中で生まれる欲望によって、破滅を経験するほどの混乱に直面するということを伝えています。

肉体を持つ私たちは、見えるもの、聞こえるもの、味わうもの、触れるもの、匂うもの、こうした変化に富んだ刺激的な喜びに魅せられ、自分自身の本質であるシヴァ神を見失うことが少なくありません。
そこで生じる暗闇は、刺激的な喜びを求める欲望を突き動かし、さらなる混乱を引き起こします。

アンダカは、シヴァ神に倒された後、改心してブリンギと呼ばれる賢人になり、やがて悟りを得たと伝えられます。
肉体を持って生まれた私たちは、暗闇に陥り混乱を経験することがあっても、自分自身の本質への気づきを育むことで暗闇は倒され、やがて光に至るということを最後にこの神話は伝えています。
シヴァ神への祈りは、そんな私たちの歩みを守り導いてくれるに違いありません。

(文章:ひるま)

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