新しい1年を迎えて、早くも1ヶ月が過ぎ去りました。
1年の始まりには、新たな目標や願望を抱き、祈りを捧げた方も多いことと思います。
その行いは、誓願を意味する「サンカルパ」と呼ばれます。
サンカルパは、自分自身の内で目標や願望を明確にして、決意することを意味します。
そして、それを実現するための力を呼び覚ます瞑想として実践されるものでもあります。
目標や願望を実現するためには、目的意識を高めることが何よりも重要であるといわれることがあります。
しかし、揺れ動く心の働きを持つ私たちは、目標を見失い、願望を実現することができずに終わることも少なくありません。
そんな私たちの心を支える、あるムドラーの実践があります。
それはサンカルパ・ムドラーと呼ばれます。
サンカルパ・ムドラーの実践では、まずゆったりとあぐらを組んだ姿勢で座ります。
そして、右膝の上に、手の平が上を向くように左手を置きます。
その左手に右手を重ね、強く握るように左右の手を掴みます。
掴んだ左右の手は右膝の上に置いたまま、瞑想を行ったり、目標や願望を思い描きます。
この姿勢が、サンカルパ・ムドラーです。
サンカルパ・ムドラーでは、「心の座」ともいわれ、胸の辺りにあるとされるアナーハタ・チャクラの前を、左腕が交差します。
アナーハタ・チャクラは、より身体的な下部の3つのチャクラと、より精神的な上部の3つのチャクラを繋ぐ役割を持ち、願望実現の中枢としても伝えられるチャクラです
そんなアナーハタ・チャクラの前を、受容を象徴する左腕が交差しながら、供与を象徴する右腕と繋がるのがサンカルパ・ムドラーです。
その実践を通じて、心は調和したエネルギーで満たされ、揺れ動くことのない強固な心が生み出されると信じられてきました。
その心こそ、私たちを目的や願望の実現に向けて突き動かしてくれるものに他ありません。
アナーハタ・チャクラは、願望成就の木として知られる、カルパヴリクシャがあると信じられるチャクラでもあります。
このチャクラが目覚める時、カルパヴリクシャの木は実を結び始めると伝えられてきました。
アナーハタ・チャクラと意識的に向き合うサンカルパ・ムドラーの実践は、揺れ動くことのない強固な心を育む力を与えてくれます。
その力を通じて目的意識を高めることで、私たちは目標や願望に向かって邁進し、何よりも豊かな実を結ぶことができるはずです。
(文章:ひるま)
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