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雑記帳

アシュタ・マートリカーの力

かつて、世界を征服し、未曾有の恐怖に陥れたアンダカと呼ばれる悪魔がいました。
世界を救うため、破壊神であるシヴァ神は三叉槍であるトリシューラでアンダカを突き刺します。
しかし、アンダカの身体から湧き出た無数の血から、次々に悪魔が生まれてしまいます。
その血を飲んでアンダカを倒したのが、八母神にあたるアシュタ・マートリカーでした。

この神話は、ヴァラーハ・プラーナに見られる神話です。
ここで伝えられるアシュタ・マートリカーは、ヨーゲーシュヴァリー、マーヘーシュヴァリー、ヴァイシュナヴィー、ブラフマーニー、カウマーリー、インドラーニー、ヤマダンダダラー、ヴァーラーヒーと称される八柱の女神たちでした。

これらの女神たちは、私たちの内なる世界に生じる悪質を倒すとされる女神です。
それは、次のように伝えられます。

・ヨーゲーシュヴァリー:渇望(カーマ)
・マーヘーシュヴァリー:怒り(クローダ)
・ヴァイシュナヴィー:強欲(ローバ)
・ブラフマーニー:傲慢(マダ)
・カウマーリー:妄想(モーハ)
・インドラーニー:嫉妬(マートサルヤ)
・ヤマダンダダラー:悪口(パイシュニャ)
・ヴァーラーヒー:不満(アスーヤー)

アンダカは、こうした悪質を次々に生みだす、無知の闇を象徴する悪魔でした。
その無知の闇と戦うものが、真我の知識であるアートマ・ヴィディヤーであり、アシュタ・マートリカーはその力として讃えられます。
私たちは、こうした女神たちを礼拝してその力を高め、無知の闇から生まれる数々の悪質を、真我の知識の支配下に置かなければなりません。

アンダカの身体から湧き出た無数の血は、アシュタ・マートリカーによって飲み干され、アンダカが手にしていた魔術的な力は消え失せました。
そうして真我の知識に支配されたアンダカは、やがてシッダ(完成した者)になったと伝えられます。

季節が移り変わる変化の時は、私たちの心身も不安定になり、闇に陥りやすくなる時です。
インドではこの時に、大自然を動かす女神たちへ真摯な祈りが捧げられます。
私たちがそうして内なる世界に女神たちの力を呼び覚ませば、闇は倒され、真我の知識である光が世界に満ちるはずです。
その光を必要とする今、女神たちに深い祈りを捧げ、世界の平安を願いたいと感じます。

(文章:ひるま)

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