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雑記帳

ハヌマーン神と尻尾の鐘

深まった秋の暗い夜に、辺り一面を照らす無数の光が灯されるディーワーリーの祝祭。
この美しい祝祭は、ラーマ神がアヨーディヤー王国へ凱旋する日として崇められる時でもあります。
ランカー島で羅刹の王であるラーヴァナを倒し、勝利を収めた後のことでした。
ディーワーリーの夜に灯される眩い光は、王国に戻るラーマ神を迎え入れるために、その道を明るく照らします。

ラーヴァナとの戦いにおいて、悪を倒すべく奮闘するラーマ神は多くの存在に支えられていましたが、その中でも、猿の姿をしたハヌマーン神の存在は欠かせません。
そんなハヌマーン神は、尻尾に鐘をつけて描かれることがあります。
この鐘には、私たちの信仰を支える大切な神話が伝わります。
それは、ラーマ神を勝利に導くために大活躍した猿軍の猿たちが、戦いの後に行方不明になったことに始まります。

ラーマ神が倒したラーヴァナには、巨大な身体を持つクンバカルナという兄弟がいました。
そんなクンバカルナがラーマ神と対峙するために姿を現した時のことです。
巨体であったクンバカルナは、黄金の鐘で飾られた巨大な戦車に乗っていました。

戦いの間、ラーマ神の放った弓がその鐘にあたり、鐘が地面に落下します。
その際、下にいた猿軍の猿たちが、鐘の中に閉じ込められてしまいます。
鐘の中は真っ暗で、猿たちは希望の光を見失いそうになりながらも、救いを求め懸命にラーマ神の御名を唱え続けました。

そして戦いの後、姿の見えない猿たちを探しにやってきたラーマ神とハヌマーン神が、地面に不自然に落ちていた鐘に気づきます。
ラーマ神が鐘を持ち上げるようにハヌマーン神に指示をすると、ハヌマーン神は長い尻尾の先に鐘を引っかけ、高く持ち上げました。
すると、暗闇の中にいた猿たちが解放され、ラーマ神のいる明るい光のもとに戻ったと伝えられます。

ハヌマーン神の尻尾に描かれる鐘は、この場面を象徴しているとされています。
その鐘から響き渡る音は、ラーマ神の御名に似ているといわれ、猿たちがラーマ神に抱く信仰を象徴しているともいわれます。
猿たちがラーマ神の御名を懸命に唱え、死の闇から命の光へと導かれたように、私たちも信仰を失わずにいれば、必ず救いを得ることができるということを、その鐘は伝えています。

信仰を見失いそうになった時には、ハヌマーン神の尻尾についた鐘を思い出し、常に救いが差し伸べられているということを忘れずにいる必要があります。
ラーマ神を信じる心によって果敢に困難を乗り越えていくハヌマーン神だからこそ、それを明確に私たちに示し続けることができるに違いありません。

(文章:ひるま)

参照:Bell on Hanuman’s Tail!

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